電話の続き ページ27
小さい頃は1分もかからずに行ける線路越しにも許可を取らなければ行っちゃダメって言われてた。友達の家はみんなあっちだった。
今回集合の駅は都会街の中心にあるけど、中学まででは片手で数えたことがなかった。
みんながしてた……そんな基準で見ることでもないのは知ってたけど、いつもいつも我慢してたのだ。もう我慢したくなんかない。
「どんどん涙溢れてくる……ごめんね、通話中に。」
『いいよ、泣きたい時は泣けばいいと思う。我慢しなくていいと思うよ。』
これを聞いた時、前に速人に言われた言葉を思い出した。「泣くな、泣くな、笑え。」
初めて言われたから、それはそれで嬉しかった。
でも、速人と蓮は違った。
蓮は、他の他人と同じだった。泣いてる人を見かけたら慰める言い方。なのに、速人に言われたものより嬉しかった。
きっと、蓮の過去が、今の私と似ている部分があったからだと思う。無意識にそれが出てたから、同情に感じなく、安心した声に感じた。
決意した。固めた。
「私行く。追いかけられて行けなかったらごめんね、でも……今までの自分でいたくない。」
ぐすぐす言いながらいう言葉ではなかったけど、でも、今まで以上に「親に逆らうこと」への勇気があった。変われる自信があった。
「また、会えたらね。」
『うん、また会えたらね。』
切ってから気づいたが、まさかの30分も電話していた。
「断れなかった。とりあえず駅まで行ってくる」
リビングに行くと一言捨てて、逃げるように外へ出た。
台風のせいで豪雨である。
傘もさせない。
でも、気分はスッキリしていた。
後悔はしない。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:ぺんぎん(。・θ・。) | 作成日時:2018年1月16日 18時