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1番最悪だった日 ページ26

8月7日。

東京へ行く、という前日である。

夜行バスの予定だったので、すなわち、出かけるのは今日ということだ。
しかし、台風5号も近づいていて、色々と怖かった。

まず、急に反対し始めた親。
7月のうちから行くということは伝えていたのだが、部屋もろくに片付けない、私の言うことも聞かない娘なんか、東京に行く資格なんかない、とのことである。

ひとつ言えば、自分も行きたいのに行けない嫉妬からの言い訳だった。そんなものに振り回されるハメになるとは……という感じだ。
少し理不尽。

今までも、みんなが友達の家に遊びに行っても我慢してきたし、ダメって言われたら嫌々ながらやめていることの方が多かった。今回も諦めることも考えながら、お風呂を入り、着替えた。

試しで、一言いってみる。

「今日東京いってくる予定で、自分なりにもちゃんと考えて、それで行くって決めました。」

普段なら勝手にしろ、とか言うくせにこういう時になってムキになって止めようとする両親。
違う理由であることは分かっていたけど、とりあえず台風が来ているからやめな、という。

むしろそれを逆手にとるのが私である。

「駅で、友達が待ってるかもしれない。連絡も取れないし、とにかく駅まででも行ってみます。」

「ふざけんな、1回スマホ返すからそれで連絡取れ」

私はスマートフォンを手に入れた。

ここまでは予測通りである。
自分が泣いていることだけは、想定外であったが……

A『電話できますか?』

これだけを蓮の個チャに投げる。
自分の部屋に来ると涙が次々と溢れ、自分ではどうしようもなくなっていた。それなのに、蓮からの電話は20秒とかかることもなくかかってきた。

その時ペンギンのアイコンだった彼のLINEが画面に写った時、安心感を覚えた。

「きゅ、急にごめんなさい……あのね、親にね……」

気づいたら、先程、あれ以上に貶されていた私の隅々を彼に愚痴っていた。

『来れなかったら無理してこなくていいよ。俺は1人でも行けるから。』

「わかった。でも、ね、私も行きたいの……いつもいつも私我慢してきたもん。」

『そっか。来れたらこればいいよ。』

「行きたい……」

私は彼に本音ばかりを投げていた。

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ラッキーカラー

あずきいろ


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作者名:ぺんぎん(。・θ・。) | 作成日時:2018年1月16日 18時

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