お話 ページ23
ご飯を食べながら、会話を進めていく私たち。
彼の所属するバレー部は前日まで合宿だったので、合宿の話を度々した。
例えば自撮りの話。
自撮りが苦手、という話から始まって、カメラロールの中身の話題に変わる。
「俺はこんなのばっか撮ってるかな〜」
「そうなの？見せてくれる？」
いいよと見せてくれる蓮。
蓮がカメラロールを見せてくれる時、そこに映っていたのが後輩の変顔で、それが合宿で撮ったものだと教えてくれた。
「どアップ写真多いね。変な顔」
笑いが堪えきれず、笑いながらコメントすると、彼もニコッと笑った。
または、このあとどうするかという話をした時。
部活あるんだよね、と目尻を下げながら微笑む彼は、困ったように顧問の話を始める。
顧問が嫌いみたいなのだが、それは合宿の愚痴にも繋がって、こちらもその話へ転換する。
「そんなにあの先生嫌われてるんだ。」
「男バレマネージャーは特にかな。バレー部全体に嫌われてる。」
あらま、っとそう言って愚痴をいう彼を見る。
部活やだ、とか顧問嫌だなって言う割にはすごく生き生き話してる。笑顔で、楽しそうに話す蓮を、初めて異性として気にした。
今までは、友達として気にしていたのに……。
急な自分の気持ちに戸惑ってはいるが、なぜか蓮の笑ってるところを、目が離せなかった。恥ずかしさとかそんなものもない。ただただ見ながら話をする。
「そう言えばね、私が海月くんに話したいことあるって言ったやつ、話してもいい？」
「うん、いいよ」
私が1人語っていく。東京行くのに、迷惑はかけたくなくて、という意図から話すことにしたって言うのを伝え忘れるぐらい、一つ一つ丁寧に話す。
ネット上の知り合いの話じゃ、これを知ったことで虐められる人もいるのだという。
でも、彼に退かれない自信があった。
話の内容は、私が障害持ち(かもしれない)ということ。病院に行ってる訳では無いから、よく分からないけど、とも一言告げて。
途中で蓮の反応が見たくなった。下を向いて話していたけど、顔を上げる。
さっきのバレーの話の時とは違う、なんとも真面目な顔。
こんなに真剣に聞いてくれてるとは思わず、途中で話していた内容が飛んでしまう。
「あは、なんか話したいことまとまんなくなっちゃった。こんな感じなんだけどね……」
誤魔化す。
「そっか。俺はちょっと理解できないけど、大変なんだね。お疲れ様。」
優しい笑顔でのお疲れって言葉に救われた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：ぺんぎん(｡･θ･｡) | 作成日時：2018年1月16日 18時
