体育祭 ページ11
6月9日。
昨日も雨で、二日も延期された体育祭。
でも、今日は晴れている。よかった。
男子とペアになって踊るダンスも、無事覚えられ、ペアで踊る幸久とはうまくダンスできる、という謎の自信に満ち溢れていた。
私は、男子に触れられるのが苦手である。
襲われたことがある、というのは言い過ぎかもしれないが、過去に男性絡みで、トラブルを起こしたのが原因で、そうなってしまった。
無論、このペアのダンスも、男子と手を繋いで踊るものになる。そうなると、知り合いではないと、酷いことになるのだ。
慣れきれてはいないけど、「フルーツタルト」の人とは、触れることならできる……ということに気づき、私から、同じクラスの幸久に声をかけた。
そして今に至る。
ちなみに去年は、初めの方は健と練習し、本番は速人と組んだ。速人と仲良くなれたのはそれが原因であった。
そして、もちろん、運動競技もある。その採点結果を、Excelで打ち込む作業を、しに行く仕事が、私には課せられていて、武道場体育教官室、という名の部屋に行かなければならなかった。
少しばかり本音を言うと、めんどくさい。
だけど、やらなければ、他にやる人がいないことも知っている。だからまじめに取り組んだ。
皆ともっと喋りたいな、もう少しで、長い休憩時間とれるな、とか一人考えていた。
仕事を終え、武道場を出た時だった。
「あ、海月くんだ!」
蓮を見つけ、声をかけてみる。
「やっほ」
「やっほー、ねね!写真撮ろ!」
「いいよ」
微笑みながら肯定の返事をくれる蓮。
パシャリ。
「ありがと!またね!」
異性との、自撮りは初めてだったから、すごく不安だった。別れてから、撮れてるか、確認する。
……保存というボタンが押しきれておらず、まさかの写真がない。
発狂しかけた私だけど、I組の速人たちがいる所へ行った時、「フルーツタルト」が集まっていて、そこに、蓮もいたから、もう1度撮ってもらった。
「保存ボタン押せてなかった〜もう一度、お願いします!」
「いいよ…………今回は撮れた?」
再び肯定の返事がもらえた。
ちゃんと撮れている。よかった。
他のみんなとも写真をいっぱいとった。
初めて、ギャラリーが、友の顔でいっぱいになっていたのを見ると、少しだけ、だけど、感動した。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名:ぺんぎん(。・θ・。) | 作成日時:2018年1月16日 18時