雨降ル夜ニ【文豪ストレイドッグス】

ふたひら。 ページ4

鎖に対しては問題ない

あとはいつ実行するかだけだった


先程、拷問に来た男につけておいた蝶によると今は昼みたいだ

ここから抜け出すなら、任務に行く人が多い夕方がチャンス、残りニ時間ぐらいだろうか

それまでに脱出ルートも考えとかなければ

ドアにも蝶を付けておき、足音がないかを確かめる


あぁ、この痛む足もどうにかしなければ

捕まった時、二発の銃弾は私の足を貫いた
一応弾丸は抜いたものの傷は悪化していた

蝶を使えばすぐ治るのだが、あの大怪我が1日で治っていたら見回りに怪しまれるだろう

(直前に治す、か)

それまでこの痛みに耐えなければ



コツン、


『！！』

足音が聞こえ、急いでドアの蝶を消す


がちゃり、ドアが開いて見えたのは中原だった


「よォ、A 吐き出す気にはなったかァ？」

『吐き出すも何も、私は太宰の居場所など知らない』

「…それだけじゃねェ、手前があんな急いで此処を出て行こうとした理由もだ。こんな物残しやがって」

そういう中原の手には私の書いた辞職届

「此処を辞めるだなんて、手前、自分がどうなるかわかってたはずだろ」

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