雨降ル夜ニ【文豪ストレイドッグス】

きゅうひら。 ページ11

「社長、例の娘連れてきました」

「入れ」


ドアを開ければ、社長こと福沢諭吉が

「急にすまなかった、助かった」

「いえいえ、社長の頼みなら」

そう言って出て行ってしまった与謝野さんのせいで、私は密室で二人きりになってしまった


いや、鍵は掛かっていないのだから密室ではないか

「……お前は、どうしてあんな場所にいた？」

傷だらけで


あら、いきなり核心を突いてくるのね
でもこの人物が、もしかしたらあのまま放っておけば死 んだかもしれない私を救ったのは確かだ


『…助けてくれたお礼に全部お教えしましょう』


別に隠すことはないのだから、捕まりそうになったら逃げてしまえばいい

_____何よりも誰かにこの話を聞いて欲しかった


『…私は元ポートマフィアの情報屋です
ほら、知りません？［依頼をすれば1時間で求めた情報が届く］という情報屋』

ポートマフィアという単語を出せば、ピクリと動く眉
そして私が尋ねたことに深く頷いた

ほらね私、結構有名でしょう？

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