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葛原が入院している病院から電話が来たのは次の日だった。着信が来るなりオレはすぐに電話に出て仕事を放り投げて、病院に向かった。
葛原が目を覚ました、と看護師からの電話が来た。
病室のドアノブを引くオレは喜びと不安で中々入れずにいた。目を覚ました、覚ましたのは勿論死ぬほど嬉しかった。でも、もしオレを忘れていたら、…オレを忘れてしまっていてもいいから、と高を括っていたのは一か月前。やっぱりオレは忘れていて欲しくなかった。
「看護師さんですか？」
病室の中から聞こえる声を聞いて、オレはその声を聞くだけで全て不安は消し去り引き戸を開けた。葛原の瞳がオレをしっかりと捉える前に、オレはその身体を抱きすくめた。
「よかった、…A、…悪かったA…」
「え、…あ、の……すみません、記憶が…無くて…」
頭を殴られたようだった。そりゃそうだよな、オレが葛原とやっぱり全てやり直そうと考えていたオレが愚かで浅はかだった。ゆっくり葛原の身体を離して、頭を下げた。
「ごめん、A…お前をこうさせたのは全部オレのせいだ。記憶がないとしてももうそれでもいい。ひとまず今は謝らせてくれ。悪かった」
「…え、…」
「A好きだ、愛してる」
「ちょ、っと、あの」
もうこれきりにしようと考えてオレは全部記憶がなくてももう全部言ってしまおうと頭を下げたまま言葉を続けていると、Aに待ってください取り敢えず顔上げてください、と肩を掴まれた。
何を待てばいいのかと顔をあげれば驚いた表情だけではなく顔を真っ赤に染めあげていた。
「ごめんなさい…九井さん、」
「……あ？」
今、コイツオレのこと九井さんつったよな？記憶は、？無くなってたんじゃないのか…？名前だけ思い出したのか？理解出来ずに疑問符が頭の中を埋めつくした。
「少しだけで驚かそうと思って忘れたフリしようと…」
「…………つまり？」
「全部しっかり覚えてます」
数ヶ月ぶりに、Aに対して大きな溜息が出た。そして、それは同時に安堵した一息でもあった。ごめんなさい、といつぶりかに聞いた落ち込むような声を聞く。
「あの、九井さん…私も九井さんのことが好きです。勘違いじゃないですよ…？」
「……いいのか、オレなんかで。いいか、これからオレがしてきたこと全部言うぞ、オレのことが嫌いになるぞ」
「ぜ、全部…？」
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m(プロフ) - 初コメント失礼します。本当に素晴らしいお話でした。完結前に出会えなかったことは悔しいですが、本当に大好きな作品になりました。人間的なストーリーで心が引き込まれ、感動しました。この作品を作っていただき、残していただき、本当にありがとうございます。 (2023年2月19日 12時) (
レス) @page33 id: 0d9b393e0f (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い - 思わず涙がこぼれてしまいました、、、。切ないしもうなんかよかったです。私もテストヤバイ、、、、、 (2021年11月30日 1時) (レス) @page33 id: 11fe216a38 (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - セツナさん» 読んでくださる方々のおかげで無事完結出来ました🥰感動していただけたんですか…めちゃくちゃ嬉しいです🥺❣️こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとうございました❕ (2021年11月29日 16時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - 楸さん» あええ大好きなんて悶えます…🤦♀️私もちょっと寂しいなって思ったりしているのでまたココくんの作品書きたいと思ってます❣️頑張ります！！最後まで読んでくれてありがとうございました🤍 (2021年11月29日 16時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - アオさん» 完結までお付き合い頂きありがとうございました！！バンドエンドもいかがだったでしょうか…😌喜んでいただけていたら嬉しいです！ (2021年11月29日 16時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチンカスヱ x他1人 | 作成日時：2021年11月12日 0時
