宮玉の仲直り ページ29
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楽屋へ入れば、一瞬合った目をすぐに逸らした宮田。
いつもなら嫌になるほどにくっついてくる姿を思い出してズキズキと心が痛む、挨拶さえもない朝。
「ぇ…お前…玉、いいの?」
俺のとこへ来ない宮田を不思議に思った二階堂の声が聞こえて、隣にいた千賀も心配そうな表情を浮かべていた。
いつもの俺なら素直になることに逃げていた。
だけど今日は違う。
ちゃんと宮田に思いを伝えて、相談に乗ってくれたみつにもありがとうって言いたい。
ちらりとみつを見れば微笑んで頷いてくれた。
「みやた…」
ゆっくりと近づけば不安げな目をした宮田が俺を見た。
「宮田、ごめん」
「たまっ……」
頭を下げた俺に驚いて、座っていた宮田も立ち上がった。
「本当は俺も寂しかった…なのに、俺は平気とか言っちゃって……」
いつもニコニコしてる優しい宮田だから
そんなに傷つけてしまうだなんて考えもしなかった。
気持ちなんて結局言葉にしなきゃ伝わらないんだ。
「素直になれないことで宮田を傷つけた、宮田が出ていって後悔した…本当にごめん。」
『俺だけが玉のこと好きすぎるのかなぁ』
宮田が悲しそうにそう零したことを思い出した。
それは、違う…
「俺、宮田のことちゃんと好きだから、1番だから…なかなか伝えられなくてもいつもそう思ってる。信じて?」
少し震えてしまった声。
宮田はずっと真剣な表情で俺を見つめていた。
そしてやがて、優しく笑って口を開いた。
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Hina.Tama(プロフ) - けっピーさん» 初めまして、最後まで読んでくださり嬉しいです。楽しんでもらえてよかったです!藤北にも他のメンバーにも幸せになってほしいですね!こちらこそご愛読いただきありがとうございました! (2018年11月7日 0時) (レス) id: ca7c7000b2 (このIDを非表示/違反報告)
けっピー(プロフ) - 初めまして、いつも愛読させて頂いております。完結おめでとうございます。藤北の思いに他のメンバーの思いがきれいに交錯してすごく楽しみながら読ませて頂きました。最後藤北の思うが通じてよかったです。素敵な作品をありがとうございました☆ (2018年11月6日 0時) (レス) id: 229eceaf50 (このIDを非表示/違反報告)
Hina.Tama(プロフ) - いーちゃんさん» コメントありがとうございます(泣)やっぱり結ばれなきゃモヤモヤしますもんね!思い返したらこれまで全然タイトルに関係ないのではと思い、最後に歌詞を少しだけ紛れ込ませておきました(笑)楽しんでいただけてよかったです!、 (2018年11月4日 18時) (レス) id: ca7c7000b2 (このIDを非表示/違反報告)
いーちゃん(プロフ) - 交わりそうで交わらないそんな藤北の描写にやきもきしながらも最後はしっかり結ばれて、最後の言葉も歌詞に乗っかっていて、最終話のすっきり感が心地よかったです! (2018年11月4日 13時) (レス) id: d50c0806ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hina.Tama | 作成日時:2018年10月1日 22時