Past&Future 2 F×Ki

藤ヶ谷さんの気持ち�� ページ22

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眠そうに楽屋に入ってきたそいつに、
今日も聞こえてるのか分からないぐらい
小さく「おはよう」って呟く。





普段ふざけ合うこともなければ
話すことだって少ない。
たった一言の挨拶だけでも
俺には難しかったりするわけで…





「んー、わたるー」

「はいはいどうしましたか太輔さーん」






俺の気持ちを知っているのは渉だけ。








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この日は朝から体調が悪かった。

でも迷惑はかけられないから仕事は休めない。
薬を飲んどけば１日ぐらいなんとかやり過ごせるかなって、そう思ってたんだ。

だけど撮影中に熱が上がってきたのが自分でも分かってさすがに渉は気づかれ、合間に少しだけ眠らせてもらった。









「太輔、太輔起きて」






耳元でそう聞こえて目を覚ませば渉の姿。

そしてその奥には…






「きた…やま、？」






北山がいるのはどうして？
俺はまだ夢の中？




夢の中ならこの思いも伝えても許されるだろうか…






「おれ、北山…と…」

「ぇ…藤ヶ谷？」






言いかけたところで、だんだんとこれは夢じゃないって
ぼーっとしていた頭がやっと目覚めた。



寝ぼけてた？って笑う渉を睨みつけて
改めて北山がそこいることを認識した。






渉は、俺の体調に１番早く気づいたのは北山だと言った。
それは本当なの…？

そんなに俺のことを見てくれていたのかなって少しだけ…ほんの少しだけ期待も抱くけど、きっと北山から見たら俺の態度は素っ気ない。





もし俺があのまま気持ちを伝えてしまっていたら
北山はどう思っただろう。









お前と、昔みたいに笑い合いたいって。






俺は北山のことが





好きだよって。

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