Past&Future 2 F×Ki

５９ ページ19

.









俺の言葉に二階堂は少し微笑んだ。






「やっぱり俺じゃ勝てなかったかぁ、」

「へ…」

「相手はあのキングで有名なガヤだもん」







やっぱガヤかっこいいしなー、って
腰に手を当てて首を傾げる二階堂。







「お前、知ってたの…？」

「みつの好きな人なんてすぐ分かるよ。みつの心にはずっとガヤがいたよね」

「…俺、、」






そうかもしれない、心の奥底でずっと藤ヶ谷のことを忘れられない自分がいたかもしれない。
だけど俺、二階堂と向き合うって決めてから
本当にお前のこと、好きだったよ。





そう伝えようと思ったけど二階堂の気持ちを考えたら
好きだった、なんてそんな言葉は望んでない。








「俺、自信あるよ！みつが俺といて楽しいって思ってくれてる自信。あの笑顔は嘘じゃないでしょ？」

「ん、当たり前だっ」






今までもこれからも、二階堂に向ける笑顔に
嘘なんてない。
それがちゃんと伝わっているならそれでいい。






「俺はずっとみつのこと大好きだから！またご飯も行こう？それに…またサウナで会ったら語り合おう！」

「ん、」

「みつ、がんばれ！」

「うん…ありがとう、二階堂。」








二階堂に背中を押されて俺は歩き出した。









あとはあいつに、
ずっとずっと言えずにいた想いを伝えるだけ。

６０→←５８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す