Past&Future 2 F×Ki

５７ ページ17

.






「そっか…いつもヘラヘラしてる奴だけど、宮田も寂しかったんだな」






玉の話を聞いて分かる、お互い同じ思いのはずなのに
すれ違ってしまう。






「どうしてこんなに素直になれないんだろう」

「難しいよな、素直になるって、」







ずっと一緒いるからといって全てが分かるわけじゃないし
言葉にしないと伝わらないことはたくさんある。
素直になれないことで後悔するなんてこと、
俺は玉にして欲しくない。









じゃあ……俺は？





ずっと隠してきた思いをこのまま伝えずにいたら
きっと一生あいつに届くことはない。

"好き"という感情を閉じ込めたまま、心が晴れないまま
俺はこの先も生きていくの？








隣にいる玉を見つめた。
なんだか今の玉は、俺と似ている気がする。

大事なこと、伝えなきゃいけないこと…
後悔する前に届けなくちゃダメだ。







「玉…お前ならきっと大丈夫。こんなにも宮田を思ってるんだから伝わるよ。後悔だけはしてほしくないからさ、俺も応援してる」

「ん…俺、ちゃんとあいつと話すね」

「おうっ」







ありがとう玉。
…って相談された俺の方がこう言うのは少しおかしいかもしれないけど、俺も玉のおかげで決意することができたよ。






「たま、」

「ん？」

「俺もさ、頑張ってみようと思う。自分の気持ち、はっきりさせて伝えてみるよ。」

「…うん、みつならそう言ってくれると思ってた」

「やっぱ玉は鋭いなー」

「んふ、メンバーのことは特にね！」







結果がどうであれ、伝えなきゃなにも始まらないから。
どんな未来になるかは分からないけど、
俺は一歩踏み出すって決めたよ。

５８→←５６ Tside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す