検索窓
今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:429,390 hit

#.138 ページ31




油断していたつもりはなかった。

でもそれは口だけであって、



荻原「これかッッ」



洸司がいつの間にか血液媒介され操られていたのだ。

勿論私より優れている洸司に体術や技術に勝てることは無くあっけなく捕まり殺されかけた。

自身の体を自身の感情で動けなく他人に操作されてる気分はどうなのだろうかとわりと落ち着いていた。

でも洸司は泣きながら私を蛍が作った武器で殴り叩き撃っていく。


血飛沫がおきてきた。
ああこれ死ねるんじゃないかと思った。
洸司に殺されるなら別にいいと思っていた。


体には傷が増えていく。
ああ…傷が…





傷が



傷が



どんどん



どんどん





増えていく……





血液媒介の異能力者はこのことを知っていたのだろうか。

私が"傷つけられることによって異能力が発動しどんどん強化されていく"ことを。

視界がぼやける中、数十メートル先には血液媒介の異能力者らしき人ともう1人立っていた。

顔は見えないがフードから微かに見えた口はニヤリと笑っていた。


ああ…これは…私たちの負けだ。

最後に見たのは、洸司が無理やり今の行動を止めるべく蛍が作った銃を自分に向け頭部に発砲し地面にうつぶせになり血を流していた。



洸司は最後に私の頬に両手で触れ異能力_明日の記憶を使った。

そう、洸司の異能力は
簡単に言うと"あったことがなかったこと"にできる力。

洸司とあったことも、この内務省異能特務課に入ったことも、部下達とあったことも関わりも体も心も10年分もなかったことにされた。



荻原「ごめんな」



笑って私が意識を失ったのと同時に洸司は死んだ。












貴女『その後私は病院で手術後に目を覚ました。自分の名前以外は全て記憶になかった。駆けつけてくれた部下の顔も名前も何一つ分からなくなっていた。それが3年前この学校に入学する前の話』

イリーナ「……」

貴女『私が自 殺を試みる本当の理由は
自分の弱さで相棒である荻原洸司を守れなかった責任として。後は……そうだな。

死を恐れないようにするためかな』



貴女『心臓の病気と異能力の寿命削りでね、もう時期私は死ぬ。死ぬのはやっぱり怖いからさ…だから私は怖さに慣れようと自 殺に手を伸ばした』


貴女『少しは分かってくれたかな



____"皆も"』


窓際に潜む生徒の"匂い"を頼りに微笑んだ。



#.139→←#.137



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (602 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1444人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

向日葵蜜柑 - こういうの好きっス 尊敬してます!! (6月17日 8時) (レス) @page39 id: b6e25e049a (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - 泣いた、凄い❣️ (2023年2月2日 19時) (レス) @page39 id: 1eed7975f0 (このIDを非表示/違反報告)
蝶々 - 最ッ高です!泣きました! (2022年2月8日 18時) (レス) @page40 id: 11b1ad38fd (このIDを非表示/違反報告)
らみ(プロフ) - 作者様ぁぁどんだけ私を喜ばせたら気が済むんですかァ!!ちょっと嬉しすぎて天国行きそうです (2022年2月6日 19時) (レス) @page40 id: 9f46023976 (このIDを非表示/違反報告)
ゾア(プロフ) - おぉっとぉ……? (2022年2月6日 16時) (レス) id: 1f5360b9e0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:嘉代15 | 作成日時:2019年4月28日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。