リナリアの意味【黒】 (ページ20)

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Ep.5-3 ページ20

Side.you

そこから、特にお互い連絡を取り合うわけでもなく金曜日。
明日、美容院が終わる時間に目黒くんが迎えに来てくれてお出かけだ。

れ「明日だね、大丈夫？」

あれから時折声をかけてくれる友達。
大丈夫だと伝え、お弁当を広げる。

れ「つかぬ事を聞くけど、好きな人ではないの？」

『すーきではないのかな？仲の良い男友達って感じなのかな？向こうは凄い優しいけどそれは昔からだし、、、』

れ「自分の気持ちにも鈍いの？Aちゃん」

お弁当の卵焼きを頬張りながら、どういうこと？と首を傾げる。
意味をわかっていない私に補足するようにれなが言う。

れ「Aちゃんがここまで、男の人相手に連絡とったり嬉しそうな顔するの初めてだよ。2年間隣で見てきて、あなたモテるのよ。でもそんな嬉しそうな顔見たことない。」

『待って、仮に私が好きだとしよう。向こうはそんなんことないと思う。はっきりとは言えないけど、そんな立場な人ではないし』

れ「まさか、その人ってこの前言っていた目黒蓮…？」

れなの驚きの表情に、無言でうなづく。
大きな目をさらに開き遠くを見つめる彼女。

れ「難しいね。来月目ジュニアのライブあるし。」

そんな忙しい時期に私なんかと出かけて大丈夫なのだろうか。
何も知らなかった自分が恥ずかしくなる。

『どうしよ、絶対今忙しいよね。断ったほうがいいよね？』

れ「それは本人に聞いて笑」

『うわーー！1人で楽しみにしていたけど、何動物園て。疲れさせちゃう。やってしまった』

1人落ち込む私を見てれなは慰めてくれたけど、内心申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

れ「とりあえず、自分の気持ち整理して、伝えること伝えな。ね？」

『ん〜ありがとう。優しさで泣いちゃう。』

友人の優しさに触れ、お弁当が一層美味しく感じた。
あとで目黒くんに連絡しよう。