リナリアの意味【黒】 (ページ18)

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Ep.5-1 ページ18

Side.you

なんと土曜日に動物園に行くことになってしまった。
行きたい場所を聞かれ特に出てこなかった結果、1人でもよく行く動物園と送ってしまった。
幼稚なんて思ってないだろうか。

目【何か見たい動物いる？】

【ワヲキツネザルが好き】

目【何それ？笑】

【尻尾がシマシマの猿だよ。可愛いの】

そんな会話の結果、群馬にある動物園に行くことになった。
なんと目黒くんの運転で。
快く車出すよなんて言ってくれて頼もしい。

れ「Aちゃん、なんか最近嬉しそう。何かあった？」

横からするれなの声。そんなに緩い顔してました？

『今度、友達と動物園行くことになって。私の好きなワオキツネザルがたくさんいるから…』

れ「友達って、男の人？大丈夫？」

少し心配そうな友人。
隠す必要もないので名前を伏せてそうだよと言う。

れ「2人きり？何かあったら言って。着いて行くから」

優しい友人に、この人は中学校の頃から知ってるから大丈夫と諭し仕事に戻った。
友人が心配してくれるのにも訳がある。

学生の頃から大雑把というか鈍い性格から、異性から好意を持たれていることに気づけない。
そのせいで遊びに行ったり、ご飯に行ったりして告白され断ると逆上され、
トラブルになることが少なくなかった。

清水さんとれなはその事を把握してくれていて、
あまり私が男性と2人にならないようにしてくれている。

でも目黒くんは何故か安心するというか、
警戒をしなくても大丈夫かなと思ってしまう。

もうすぐ仕事が終わると言う時間だなとスマホを見ると、目黒くんから連絡が1件。

目【見て】

それだけのメッセージと1枚の写真。
開くと、目黒くんとこの前転びそうになったのを助けてくれたおにいさんが写っていた。
2人ともおしゃれな服を着てポーズを決めている。

【似合ってるね、2人とも】

目【土曜に着てく服買った】

【あんまり、オシャレにならないでよ。隣歩きたくない笑】

目【Aさんもオシャレだから大丈夫でしょ笑】

日曜日だってのに何で仕事してるんだろうなんて憂鬱な気持ちが少し吹っ飛んだ。