俺らの"妹" 私の"お兄ちゃん"２[ARS]

・ 部活 ページ5

翔side





俺が顧問をやっている

サッカー部を少し抜けて、


保護者へのプリント用に写真を撮って回ることになった俺。



次は、和と潤がいる教室だ。


邪魔にならないようにそっとドアを開ける。



ドアのすぐ前に座っていた和は

具合が悪そうで…白くなっちゃってる。


あぁ、貧血だろうなって思った。




そっと声を掛ける。




「かず？かーず？」



和「……………しょっちゃっ……」



「うん、そうだよ。

保健室行こうな？

ほら、潤も。」


俺は、監督のことは知ってたから
和を抱き上げて、丁度入ってきた野球部の顧問の先生に事情を話して教室を出た。



和は前より軽くなった気がする。


潤は、和を助けられなかったからか落ち込んでいる。



保健室のドアを開けると、保険の先生もミーティング中なのか誰もいなかった。


和を座らせる。


和は、家族しかいなくなったからか
涙を流し始めた。



和「…しょっちゃっ、



……………もち、わるっ………んっ…」




「よーし、じゃあ出しちゃおうな？」



近くにあったビニール袋を手に取り口元に近づけてやると、袋が重くなった。



和「……ぅっ………っ………えっ」



嗚咽を続ける和の背中をさすってくれる潤。


「和、もう帰ろうな？

智くん、呼ぶよ？」



そう聞くと、こくんと頷いてくれた。




「潤も、一緒に帰りな？


２人分リュックもってきてやるから。」


潤も、こくんと頷いてくれて


ポケットから携帯を取り出し、智くんに電話をかけると、「うん、車で行ったげる。」と返ってきた。

最近、智くんは免許をとった。

・ 部活→←・ 部活

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す