だから違うっちゅうねん！人違いや！

２９〜　 ページ31

結局、あの後暁美が帰ってくることはなく、
探偵社を訪ねても来ていないと言われた





そして、3日たったある日
暁美は目を覚ます


懐かしい香り、まだ家族と楽しく暮らしていた頃の懐かしい香り

「お目覚めになりましたか？恭弥(ｷｮｳﾔ)坊ちゃん」


燕尾服に映える白髪


「爺、その呼び方止めてくれんか？
今は、暁美ちゅう名前なんよ」

「失礼しました」


この老人は、14年前まで天童家の執事をしていた

木藤 六蔵(キフジ ロクゾウ)


「爺、俺がここにいる説明をしてくれるか？なんも思い出せん…」

「かしこまりました。ちなみにこのコンテナハウスは、爺の住まいでございます」




.



そうですね、貴方様を見たのは
街から少し離れた河川です

私は懐かしと思い暁美坊ちゃんを陰から見守っておりました。

ですが、坊ちゃんに何かしらの違和感を覚えました。

雰囲気、いえ、立ち姿が女性のようだったと言うほうがいいのでしょう。


見送るはずでしたが、失礼ながら後をつけさせて頂きました。




坊ちゃんは街中の路地裏に入り、

"この子が承諾してくれればこんなめんどくさい事しないで済むのに"

"さて、次はどこが手に入るかしら？"


と言い、その場で倒れました






.




この時には、暁美の味覚、左目、左耳はほとんど機能していない状態だった

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