みんな大好き北さんの妹 2【稲荷崎】

出会い ページ9

ーノーサイドー


『すみません、青葉城西の生徒のお方ですか』


あ、やばい。落ちる。その時及川はそう思った。




もちろんそんなロマンチックな一目惚れなんてもちろんやってくるわけなかった。

いや、他の女子だったら有り得るかもしれないが、Aにロマンチックなんていう言葉はあまりにもかけ離れていた。


『私、男子バレーが見たくて不法侵入した者なんですが体育館はどこですか』


あ、うん、えっと、うん、変な人だ。その時及川はそう思った。


及「えっと、不法侵入？」


『はい』


及「男子バレーが見たくて？」


『はい』


及「んー…じゃあ俺一応バレー部だから一緒に行こっか、今から部活始まるよ！」


『ありがとうございます』


及川とAが体育館に入ると、歓声が聞こえた。


「きゃぁぁ！とーるくーん！！！」

「今日もかっこいいいーー！」

「こっち向いてーー！」


及川はファンの子達に軽く手を振った。


『…みなさん、貴方が見たくてわざわざ体育館に足を運ぶんですか？』


及「うんまあね♪及川サンモテモテだからさ！」


岩「誰がモテモテだって？部活始まんぞ、用意しろ」


及「げ、岩ちゃん。ハイハイ用意する『もし、それが本当なら』


『少し見る目がなさげですね、』


その言葉を聞いた途端、及川はピタリと止まった。岩泉に至っては笑いを頑張ってこらえ始めた。


岩「……ククッ…ん“んん…」


及「…今なんて？」


『いや、見る目がないなって』


岩「ゲホッゴホッ…ッ」


及「なんっで初対面の子にそんなこと言われないといけないのさ！！及川サンがどんな人かも知らずに！」


『なんとなく』


及「なんとなくって！！」


岩「はっはっはっ！おもしれーなお前！名前は？」


『北Aです』


岩「よろしくな！A！」


及「チョット！何仲良くなってんのさ！おいA！



こんな屈辱は初めてだよ…いつか！いつか落としてやるから覚悟しな！！」



　
　
　
　
　
『は？』
　
　
　
　
　
　
　
それからというもの、Aが青城に来た時は懲りずに口説き続け、今に至るのである。

ずるい→←クソ川

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