みんな大好き北さんの妹【稲荷崎】

激怒 ページ33

ーAサイドー



とりあえず、松方のことは置いておく。


今は目の前の試合に集中しないと。
　
　
　
　
けど、いつもみたいにアドバイスは出来なくなっていた。


もちろん、見ているうちに敵チームのデータは頭に流れて来て、そのうち記憶に刻まれる。


だけど、いつもみたいにそれを声に出してアドバイスすることはできなくなっていた。


なぜか、もちろん知っている。

私のせいで信介が試合に出れてないのに、私が偉そうにチームにアドバイスするのはとても図々しいのだ。


知ってる。そんなことは私情で、試合に持ち込んではいけない。


けど無理なんだ。


声が出なくて、いつもみたいに言うことはできない。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
今のジャンフロだって、前に落ちることは打った瞬間分かった。



『前』って、2文字を言うだけなのに、言えなかった。

稲荷崎は、それで一点を落とした。
　
　
　
　
　
信介がいないせいか、試合はガタガタしてて、結局負けてしまった。
　
　

　
　
　
　

　
　
全部私のせいだ。
　
　
　
　
　
　
　
　
治「なあ、A。なんで今日なんにも言ってくれんかったんや」


『……ッ』



私がなんにも言えないまま俯くと、侑が怒った顔で私のそばへ来た。
　
　
　

　
　
　
　
侑「サム、俺が言う。
　
　
　
　
　
　
　
　
なあおい。ふざけとんのかA。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
今日お前が外から言うことで何点取れたと思ってんねん。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
北さんがおらんかったからか。
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
北さんがおらんと何にも出来へんマネなんてウチにいらんのや。
　
　
　



　



　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
チームの勝ちに貢献できへんマネなんていらんのや。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　

　

　
　
そんなんだったらマネやめろ。


　
　
　
　
　

　
　
　
　


　
　
　
　


お前の代わりなんてぎょうさんおんねん」

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