見てて。【牛島若利】

第三話 ページ3

　

　

　
　
　
　
　
　

今まで、ぼんやりと生きてきて
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
姉と同じく、白鳥沢に入り、気づけば高校三年生を迎えていた。

　
　
　

　
　
　
　
　
　


一番の思い出は何かと聞かれると、答えられない。
　

　
　
　
　
　
　
なにも記憶に残っていない。
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
そんな、空っぽな高校生活を送ってきた。
　
　
　

　

　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
きっと、この一年も、あっという間に過ぎていく。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
別に、未練なんてない。
　
　
　
　

　
　

　
　


　
　
私のことなんて、誰も見てないんだし。
　

　
　

　
　

　
　
　
空を眺めながら呑気にそんなことを思う。

　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
教室の空気は、ぎこちない。
　
　
　
　
　

　
三年生が始まったばかりだからだろうか。
　
　
　
　

　
　

　
　
　
私はそんな教室にまだ馴染めないでいる。

　
　
　
　
　
　

　
　
なぜか、居心地が悪くて。
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
上手く、言葉が出なくて。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
教室にいるくらいなら、絵を描きたいと、
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
普通に思っている。
　
　
　
　
　
　

　
　
　

「じゃあ帰ります。部活がある人は頑張ってください。さようなら」

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
担任が声を掛けると、生徒がゾロゾロと教室から退出し始める。
　
　
　
　

　
　
　
　

　
　
　
　
私も鞄を持ってゆっくりと立った。
　
　

　

　
　
　
　
　
　
　

　

　
　
　
　
　
部活、行くか。

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