伊達工、鉄の猫被り現る

会話 ページ20

思わせぶり

いかにも意味ありげな言葉やしぐさで、期待を持たせること。また、そのさま。 Weblio参照


『とぼけてんじゃねェェェ！とうとうここまで落ちたか二口ィ！』

「いやだから！(そうかコイツはこーゆー奴だった…！)」

『急に「もし、俺がお前のこと好きって言ったらどうする？」なんておかしいだろうが！』

「…はぁ…(もうこうなったら！)そーだよ思わせぶりだけど？え？引っ掛かった？」

『んなわけあるかァァァ！甘いんだよ馬鹿！今日もカフェで色々吹っかけてきた割には私の仮面を剥がせなかったねえ？にらくん？え？そんなもんなのかな？』

「俺なりの優しさだよ馬鹿！俺が本気出せばお前の仮面なんてバリバリ剥がせんだよ感謝しろ！」

『はっあああ？あんたに感謝するくらいだったら死にますけどォォォ』

「とか言って俺のこと大好きなんだろ知ってる知ってる」

『自意識過剰もほどほどにしとけタコォォォあんたのことなんてこれっぽっちも好きじゃないねッ』

「どーせ俺が女子にモテモテになったから嫉妬してんだろー？そんくらい分かるって！」

『分かってねーよ』

「嫉妬はほどほどにしないと、ねえ？」

『あーそうですけど？どうせ私はモテないですけどなにかぁ？いやこれからですけどォォォ？二口はどーせこれからの私と違ってどんどん廃れてくんでしょーねかわいそうにィィ！』

「あーー？？」





『「大体二口／Aは！！」』


会話のシンクロ。

二人の熱は、一旦そこで途切れてしまった。


やっぱりこんな喧嘩をしていても二人は仲が良い。

シンクロするほどに。


『…ふ…ッちょ、このタイミングではやめてよ…ッあはは…ッ』




「…ふは…ッ俺も参ったわ…！」
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
二人はしばらく笑い合った。

　
　


　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
Aはどうか知らないが、二口は笑いながらこんなことを思った。
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
「(俺、やっぱAのこと好きだわ)」

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