検索窓
今日:5 hit、昨日:22 hit、合計:50,176 hit

アニーミアの悪戯/yg ページ14

あたまがいたい。


そう思いながら窓から入ってくる朝日によって起こされた。
枕元にある目覚ましが鳴った後のケータイを手に取り時間を確認すればもう7時前。それを見て徐々に頭が働き出す。
え、この時間はヤバイ。いつも準備してる時間じゃないか。
おかしいな、ちゃんと寝たはずなのに。
頭の中では悠々と考えているが実際問題これは仕事に遅れるかもしれない。
一気に布団を除けて部屋を出ようとした。
早く着替えて、行かなきゃ。
そう思っているのに、何故か体が言うことを聞かなかった。
体が重力に従って落ちていく。
起きた時から蝕んでいた頭痛が一気に押し寄せる。
それと同時に目が捉えている自分の部屋がぐにゃり、と歪んで私はベッドの上に倒れこんだ。
なんだこれ。こんなことしてる場合じゃないんだけど。
もちろんずっと寝たいとかっていう気持ちはある。でもそれはあくまで願望であって行動には移してない。
つまり自然な流れでベッドに突っ伏してしまったという訳だ。

倒れこんでから一呼吸おいて、勢いをつけて一気に起き上がる。
そしてもつれる足に気をつけながら、部屋の扉を開けた時点で、今度は世界がひっくり返った。
一瞬なにが起こったかわからない。
かろうじて体中が壁にぶつかって鈍い音を立てたのだけ認識した。
また倒れた。
そう認識するのにも時間がかかるぐらい頭が回っていないことも同時にわかってしまった。
今日私仕事行ける?一抹の不安が頭を掠める。休むとまた上司がうるさそうだなとか、くだらないことまで一緒に浮かんで空笑いした。

さてどうしようかな。
このままの状態じゃどのみち家にいてもなにも出来ない。
まともに頭を動かすのだってきついのに、仕事なんて出来るもんか、と、ここにいもしない上司にぼやきながらも、私は手に持っていたケータイでとある人に電話をかけた。
数回コールが響いて「もしもし」と少し気怠げな彼の声がした。


「もしもし、八木くんおはよう」

「おはよー...どしたの?」

「頭痛くて廊下で倒れて動けないから起こしに来て」

「え、...え、ちょっと待って、倒れた!?すぐ行くから待ってて」

「うん、待ってる」

変に冷静な頼み方をしてしまったけど、これでひとまず助かるだろう。
そのあと、待っている間に会社にも連絡をしておいた。
上司になんていわれるかな、ともう既に先のことを考えて憂鬱になる。
でも、とりあえず今日はもうなんとかなるって思ったらなんか安心してしまって、瞼がおりてきた。

2→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
76人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミナ - お返事ありがとうございます!此方こそいきなりスミマセンでしたm(__)mはい!全然急ぎでは無いので大丈夫ですよ(*^_^*)いつも楽しく見させて頂き有難うございます! (2016年9月15日 17時) (レス) id: 2806de172c (このIDを非表示/違反報告)
篠崎 牡丹(プロフ) - ミナさん» ミナさん、再びのコメントありがとうございます!了解いたしました。またお時間を頂きますがお待ちいただければと思います!ご期待に添えるよう尽くしますのこれからもよろしくお願い致します。 (2016年9月15日 15時) (レス) id: 36ed8eb340 (このIDを非表示/違反報告)
ミナ - 遅くにスミマセン(泣)今また見ててこの先が凄く気になりリクしたくなりました!このお話の続きを書いて頂けないでしょうか?どちらと結ばれるかは牡丹さまにお任せします!全く急ぎでは無いのでお願いできますか?修羅場等入ってたら嬉しいです! (2016年9月15日 2時) (レス) id: 8be0271ad6 (このIDを非表示/違反報告)
篠崎 牡丹(プロフ) - 咲龍さん» 咲龍さん、コメントありがとうございます。一気に読んで貰えてとても嬉しいです。リクエスト承りました!順次消化させていただきますので、気長にお待ちいただければと思います!よろしくお願い致します。 (2016年9月14日 11時) (レス) id: 3c506cdcd8 (このIDを非表示/違反報告)
篠崎 牡丹(プロフ) - ミナさん» ミナさん、お久しぶりです。遅くなりましたが、喜んでいただけたようで一安心です!書いてて、ツイン組の取り合いは高度だなと思いました笑。なんというか、計算高いイメージです。こちらも書くのが楽しかったです!リクエストありがとうございました! (2016年9月14日 11時) (レス) id: 3c506cdcd8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:篠崎 牡丹 | 作成日時:2016年8月25日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。