【名探偵コナン】わたしの光【安室透】 (ページ4)

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３話ページ4

「いやー、まさか店員さんがあんなにイケメンだとは思わないじゃない？」

確かにあのイケメンさんに対して一人で立ち向かうのは少々勇気がいる。
心細かった原因はそれらしい。

だがしかし

以前から喫茶店巡りをしたいと言っていた彼女にこう言われたら勘違いするのは当然だと思う。

『ポアロって喫茶店に行きたいんだけど、一人で行くのは(店員さんがイケメンすぎて)心細いから一緒に行かない？』

これで括弧の中を読み取れる人はそうそういない。

いつも肝心な所が抜けてるのよね

そんなことを思い、私は苦笑いを浮かべながら＂そうね＂と返事をした。

「でもびっくりした、昨日初めて行ったのに覚えててくれるなんて」

ストローで氷をくるくると回しながら呟く彼女。
私は驚きで咳き込んだ。

そういえば菜那の言い方は
＂一度行ってみたらイケメンがいたから付いてきてほしい＂という感じだった。

今の今まで常連だと思っていた。
何故私は気づかなかった。

イケメンは中身までもイケメンなのだろうかとこのとき初めて思った。

それとも客のことをそこまで覚えるなんて彼だけなのだろうか。

どちらにせよ、イケメンだから中身は真逆だなんて決めつけてはいけないと思った。

その後飲み物が届くと私達は課題に取り組んだ。
外へ出る頃には長居していたからか周りは少し暗くなってきていた。

家が真逆のため菜那とはお店の前で別れ、私はそのまま真っ直ぐ家へ。

「さすが喫茶店…お財布寂しくなるから行くのは控えよ」

メニュー表に書いてあった値段を思い出しながらそう呟く。

上を見上げると、そこには今にも降り出しそうな空が広がっていた。