あの日出会った君の名は。【安室透】

運悪く殺人事件を目撃してしまった私は今、その犯人に拘束されている。犯人の手には拳銃。ああ、私の最期は今なのか。

銃口がこちらに向く。
どうしてだろう。私の目から涙が溢れてきた。ああ、もう駄目だ。覚悟を決めたその時、思い出したのは小学生の時に一度だけ会った名前も知らない男の子。

いや、名前は知っているはずなのに、思い出せない。その子が友達に呼ばれた時にその子の名前を聞いたのに、名前のところだけ雑音が入る。

ああ、どうしてこんなことを思い出すんだろう。分からないけど思った。

＿＿＿＿君に会いたい。

上級生に虐められていた私の前に立って助けてくれた男の子。褐色の肌に金髪。鋭く光る青い瞳。
そして、「大丈夫？」と優しく声をかけ、手を差し出してくれた君の名は…そうだ。れ＿＿＿＿

パァン！

室内に銃声が響いた。執筆状態：更新停止中