ネットニュース ページ8
．
光輝｢ごめんって｣
A｢...｣
光輝｢そんなに怒る？｣
A｢バカ光輝｣
いつも光輝がするバカげたことさえも愛しく思えちゃう私ですが、今珍しく怒ってます。
光輝｢んだよ、トマト食わせただけじゃん｣
A｢...｣
そうです、お昼美味しくいちごジャムパンを食べ、いちごミルクを飲んで至福のひと時を送っていた私に、大の苦手なトマトを口に放って来たんです。
海司｢じゃあ光輝、俺らが生魚食わせても文句言うなよ？｣
光輝｢やだ｣
う陸｢そういうことだって｣
私の少し後ろを歩いている３人はずっとそんなことを話している。
A｢...今回ばかりは絶対に許さないからね｣
そう宣言するとあからさまにションボリする光輝。
...ダメだ、そんな顔されると気持ちが揺らいでしまう。 ←
海司｢そう言えばA、今日バイトは？｣
A｢えっと...今日は21時まで｣
陸｢結構遅いな...｣
光輝｢じゃあ俺迎えに...｣
A｢結構です｣
まだ光輝が話してる最中にも関わらず即答する私。
陸｢...今回マジだな｣
海司｢...だよな｣
光輝｢でも遅い時間に１人なんて...｣
A｢私じゃなくて果音さんの心配でもしてれば！！！｣
...って、何で私は毎回こんな可愛げないことしか言えないんだろう。
海司｢でもさすがに遅い時間に１人は危ないんじゃない？｣
A｢別にそんな遠くないし大丈夫だよ｣
そう言っても心配そうな３人。
A｢私、もう子供じゃないから｣
光輝｢そういう問題じゃないよ、もしAに何かあったら...｣
A｢大丈夫、これまで何もなかったじゃん｣
そう言えば３人が顔を見合わせる。
それに...
A｢光輝、これ...｣
そう言って私はあるネットニュースを見せた。
光輝｢...痴漢？｣
A｢最近多発してるらしいんだけど、その場所が果音さんがいつも通ってる道らしいの｣
光輝｢え...｣
A｢私の心配より、果音さん心配してあげなよ｣
結局本当の気持ちを言葉にするのが怖い私はまたこうやって逃げるしかないんだ。
陸｢でもそれならAも...｣
A｢大丈夫、何なら店長か誰かに送ってもらうから｣
海司｢...じゃあ帰ったらちゃんとLINE送ってね｣
A｢ん、分かった｣
心配してくれてる３人を大袈裟だと...、
安易に考えていた私はもちろん、この後あんなことになるなんて思いもしなかった。
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作者名：ちゃそ
| 作成日時：2019年4月21日 20時
