43:Never Change22〈兄と弟の真実〉 ページ43
「俺は雅紀より先に結婚して、子供も授かった。
すごく略式の薄茶ですけど。
よろしかったら。｣
そう言って、私の前に趣のある焼き物に入った
薄茶を置いてくれた。
「はい・・・いただきます。」
「でもね、妻も私もそれぞれに長く付き合っている、
好きな人がいてね。
こんな話、今するべきじゃないんだけど。
お互い＜家＞の為に偽りの家族演じてる。
でも子供たちに罪はないし。むしろ、子供を授かったことはとても幸せで。
妻のことは愛してるとは言えないけど、
子供達のためならどんなこともできる。
そんな風に考えられる自分になっていることに、
驚いていますよ。」
私は薄茶を飲みながら、潤さんの話を黙って聞いていた。
「でもね。俺はずっと子供の頃から雅紀が羨ましかった。
あんなふうに生きたかった。
そして、雅紀がAさんと結婚したとき、本当に羨ましかった。
自分の愛する人と一緒に人生を共にする。
そのためには、家さえも放棄することもいとわない。
俺には絶対できないことだった。
でも雅紀はそれをした。どんな困難も恐れず。
Aさんを選んだ。」
私は黙っていた。
窓の外の庭を見ていた。
「煙草いいですか？」
「はい。」
潤さんは黒いライターから煙草に火をつけた。
ゆっくりと吸い、すーっと言う音とともに煙を吐いた。
暫く二人に沈黙があった。
そして潤さんが再び口を開いた。
「昨日、電話では＜心臓発作＞って伝えましたけど。
本当は、雅紀・・・」
潤さんは煙草を深く吸い、煙を吐きながら、
「自ら．．．命を絶ったんです。」
と言った。
「え？」
私は潤さんの顔を見た。
潤さんは長い睫の目を伏せていた。
「俺が、雅紀をみつけたんです。
通常の倍以上の睡眠薬を飲んでいて。
あいつの部屋のバスタブで溺死してた。
そして、俺だけに・・・遺書があった。
家族友人誰にもなく、俺だけに。
遺書のことは誰にも言ってません。
唯一仲の良かった俺だけに、あいつは遺書を書いていた。
＜もう疲れたよ＞と。
そして、＜子供の頃欲しがってたプラモデルをやるよ＞って書いてあった。」
潤さんの声は震えていた。
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PP(プロフ) - ゆーなんぴー♪様コメントありがとうございます＼(^o^)／更新遅いですけど、時々遊びに来てください！頑張りますわ☆ (2014年7月27日 16時) (
レス) id: 833a9907ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆーなんぴー♪ - 初コメです！Lovesituation大好きです！更新がんばってください！(｢･ω･)｢楽しみにしてます！ (2014年7月27日 11時) (レス) id: 8204ed6687 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - ナンシー様いらっしゃいませ。コメント有難う！もっと毒づかれるかと想ってました(笑)お互い方向性が違いますものね。読んでくれて本当に有難う！ (2014年6月16日 22時) (レス) id: 833a9907ff (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 私には真似できない技術がいっぱいありますね(´д｀|||) 何かは書く気がありませんが、目標が明確になった気がします。優しいタッチの文がいい感じです♪ (2014年6月16日 22時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：PP | 作成日時：2014年6月2日 22時
