40:Never Change12〈偽りの夫婦〉 ページ40
当然ながら、水森さんにいつもの笑顔はないけれど、
泣いてなかった。
無表情のまま。
相葉氏の兄の潤さんから連絡を受けたときも。
もしかしたら、一人の時になった時は泣いたのかもしれないけど。
俺が一緒にいるとき、まったく泣いてなかった。
外はすっかり暗かったが、石畳にそって灯篭がおかれ、足元を照らしてくれた。
それに沿って歩いていくと葬儀の場所についた。
受付には、まばらながらも多くの人がいた。
水森さんは、決して顔をあげず。
下を向いたままだった。
俺はここに来る前、水森さんにお願いされていた。
受付で記帳をしないから、と。
そのかわり、俺の名前だけ書き、夫婦のようにふるまってくれと。
親族が多いので、参列者の氏名の確認などはその場でしないはずだからと。
理由は聞かなかった。
俺は彼女の言う通りにした。
受付の先に風格ある、立派な大きな建物があった。
そこが葬儀場になっていた。
通夜は既に終わろうとしていた。
水森さんから、
「親族の人に会いたくないので、
通夜が終わるぐらいの時間に行って焼香だけしたい。」
そう言われた。
焼香のための長蛇の列ができていた。
もうすぐ俺たちの番という頃、遺族の席に目を向けた。
相葉雅紀氏の両親と兄弟が並んでいた。
両親の隣に男性が二人、それぞれの奥さんと
思われる人と座っていた。
品がいい。
という言葉は、この家や親族すべてに当てはまるように思う。
相葉雅紀氏の両親、兄達もその言葉通り礼服を着ていても、
気品や風格が漂っていた。
そして、二人の兄は相葉雅紀氏同様、似てはいないが、それぞれに丹精な顔立ちをしていた。
兄だと思われる二人のうち、一人の男性と目が合った。
その男性は、下を向いたままの水森さんを見ていた。
他の親族の人達は誰も、水森さんに目を向けていなかった。
多分、相葉雅紀氏の元妻の存在に、気付いている様子は無いようだった。
目の合った男性は、焼香の間も水森さんをじっとみていた。
もしかしたら、あの人が水森さんの言う＜潤さん＞という、相葉雅紀氏のお兄さんなのかもしれない。
41:Never Change13〈連れて行くなよ〉→←39:Never Change11〈Black Dress〉
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PP(プロフ) - ゆーなんぴー♪様コメントありがとうございます＼(^o^)／更新遅いですけど、時々遊びに来てください！頑張りますわ☆ (2014年7月27日 16時) (
レス) id: 833a9907ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆーなんぴー♪ - 初コメです！Lovesituation大好きです！更新がんばってください！(｢･ω･)｢楽しみにしてます！ (2014年7月27日 11時) (レス) id: 8204ed6687 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - ナンシー様いらっしゃいませ。コメント有難う！もっと毒づかれるかと想ってました(笑)お互い方向性が違いますものね。読んでくれて本当に有難う！ (2014年6月16日 22時) (レス) id: 833a9907ff (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 私には真似できない技術がいっぱいありますね(´д｀|||) 何かは書く気がありませんが、目標が明確になった気がします。優しいタッチの文がいい感じです♪ (2014年6月16日 22時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：PP | 作成日時：2014年6月2日 22時
