21:MorningGlory73〈聞きたくなかった言葉〉 ページ21
初めは何とかして、作品を出版できるように出版社にかけあった。
彼女も、仲の良かった出版社、編集者にかけあった。
しかし首を縦に振ってくれなかった。
頼みを聞いてあげたい気持ちは山々だが、それ以上にあの先生に嫌われたら
会社が最後になると。
そう言われ続けた。
「雅紀はペンを持ちたかった。書きたかった。
作家になるために、幼いころから一心にその望みを叶えるために、努力してきましたから。
書けなくなるということは、雅紀にとって人生を閉ざされることと同じ意味がありました。
仲の良かった私たちも、言い合いをし、喧嘩をするようになりました。
酒が一滴も飲めなかった彼が徐々に酒に溺れるようになり、
泥酔して帰ってくるようになりました。
何日も飲み歩き、家に帰らない日さえ増えました。
人と言い争うことが嫌いな優しい人だったのに、
泥酔すると人が変わり、私に手をあげるようにもなったのも、
このころからだったと思います。」
俺は言った。
「・・・離婚することもできたんじゃないですか・・・」
「そうですね・・・」
水森さんは再びコップの水を飲んだ。
「考えませんでした。全然。
どんなに手をあげられ、傷つけられても。」
「どうして？」
「・・・愛して・・・たから・・」
海を見ている彼女の瞳から、涙がこぼれた。
俺はポケットからハンカチを出し、彼女の前に差し出した。
「ありがとう・・・ございます・・・」
そういいながら、水森さんは俺のハンカチを受け取り、涙を拭いた。
わかっていたはず。
想像もしていた。
22:MorningGlory74〈人生最悪の時〉→←20:MorningGlory72〈崩壊と狂気〉
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PP(プロフ) - ゆーなんぴー♪様コメントありがとうございます＼(^o^)／更新遅いですけど、時々遊びに来てください！頑張りますわ☆ (2014年7月27日 16時) (
レス) id: 833a9907ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆーなんぴー♪ - 初コメです！Lovesituation大好きです！更新がんばってください！(｢･ω･)｢楽しみにしてます！ (2014年7月27日 11時) (レス) id: 8204ed6687 (このIDを非表示/違反報告)
PP(プロフ) - ナンシー様いらっしゃいませ。コメント有難う！もっと毒づかれるかと想ってました(笑)お互い方向性が違いますものね。読んでくれて本当に有難う！ (2014年6月16日 22時) (レス) id: 833a9907ff (このIDを非表示/違反報告)
ナンシー・ハジェンズ(プロフ) - 私には真似できない技術がいっぱいありますね(´д｀|||) 何かは書く気がありませんが、目標が明確になった気がします。優しいタッチの文がいい感じです♪ (2014年6月16日 22時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：PP | 作成日時：2014年6月2日 22時
