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# me
「手伝います」
「無理しなくていいのよ」
「いえ、一緒にやらせてください」
顕嵐のお母さんと二人、キッチンに籠る。
「……体調、安定したみたいで良かったわ」
二人きりになった途端、お義母さんが小声で呟いた。
「ありがとうございます…」
「大丈夫。
このまま無事に産まれるから」
「え…」
それはすごく、意味深な表情で。
いつも朗らかで、それこそ怜央くんみたいに明るく笑顔ばかりのお義母さんが、初めて私を深く見通すような瞳で見つめた。
まるで本当の母親のように、全てを包む慈悲を与えるかのように。
その瞳は、顕嵐の宝石のように綺麗な瞳そっくりで、
"あまり話してない"
顕嵐は実の母との関係を希薄であるかのように語ってはいたけど、やっぱり親子としての血の繋がりを感じさせた。
「顕嵐と一緒にいて、幸せ？」
優しい微笑みと共に首元を見つめられる。
妊娠してからの日々で、顕嵐に付けられた"跡"は消えていたけど、つい隠すように手を当てる。
「……はい」
私がそう答えることは、きっとお見通し。
「良かったわ」
その一連の流れで、 私は、顕嵐すらまだ確信していないことを確信した。
…きっと顕嵐のお母さんは、気付いている。
前に顕嵐から聞いた話だと、顕嵐のお母さんは、顕嵐のお父さんが吸血鬼なことは知ってはいるけど、
顕嵐も吸血鬼になったことはまだ誰からも聞いてはいなくて、
だから顕嵐も一応、お母さんの気持ちに配慮して、知られないようにあまり近付き過ぎないできた、という話だった。
だけど、顕嵐のお母さんはおそらくとっくの昔に気付いてる。
自らの長男が自らの夫の手によって吸血鬼に生まれ変わり、そして、自らと同じような人間の女性を妻にしたことに。
だからきっと、子供が出来てすぐ、異常なくらいやつれ苦しんだ私に、"無事に産まれる"ってアドバイスをくれたんだ。
自らも同じ経験をしてきたから。
それがそうなら、きっと私は、お義母さんの言う通り本当に大丈夫なんだろう。
「…すごく心強いです、お義母さんが付いてくださってて」
心がじわっと温まる心地だった。
「もっと頼って欲しいわ。
たくさん甘えてちょうだい」
「…はい」
それからのことだった。
私は顕嵐の実家にも、よくお世話になることが増えた。
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りりちゅん(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！完結してしまうのはとても寂しいですが応援しています！ (2017年5月25日 1時) (
レス) id: c321fe6a1f (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - nnm2000さん» 応援ありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月17日 21時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
nnm2000(プロフ) - くすぐったくてキュンキュンします…頑張ってください！！ (2017年5月16日 19時) (レス) id: 432ef5cf0a (このIDを非表示/違反報告)
踊れる人大好き芸人(プロフ) - ゆうなさん» コメントありがとうございます。褒め言葉として受け取って、邁進します！（笑）本当は書いてる方も恥ずかしいのですが、徐々に慣れました…。 (2017年5月15日 14時) (レス) id: 698c405fce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 読んでるこっちが恥ずかしくなる！頑張って下さい！！！ (2017年5月15日 11時) (レス) id: 9b29f9a6ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年5月5日 20時
