Prince of Vampire 10

469 ページ8

あっという間に家に着く。






自分ちだからピンポンは鳴らさない。






「母さーん、兄貴たち連れてきたよ」






ドタドタと、リビングに上がってく俺と、玄関でちょっと待つ二人。




今日父さんは仕事でいない。




すぐに嬉しそうに立ち上がり、玄関に向かう母さんを、俺は後ろから追った。






「いらっしゃい」




キラキラした顔で、Aさんを見つめる母さんと、




「お邪魔します」




と笑顔で挨拶するAさん。




やっぱこの二人、合う気がするんだよな。
どっちも優しい雰囲気が似てるっていうか。






「今は落ち着いてるの？」




「はい、」




確かに、Aさんの顔色は前に見たときと比べて格段に良くなっていた。








リビングで向かい合い、ソファーに腰を下ろす。






「孫が見れるなんて、ずっと楽しみだったわ」




「そう言っていただけて、嬉しいです」






まさに仲の良い家族の会話。




「俺も来年には叔父さんだよ、どうしよう」




「怜央にはあまり遊ばせないようにね、」




「なんで！」




「一緒になって子供みたいにはしゃいじゃうから」




「(笑)」




和やかに、笑い合う。ほんと良い家族。




一人、ソファーに座らず真後ろに突っ立ってる兄貴だけ、若干ソワソワしてたけど。

470→←468

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す