長男の想い人第2章【竈門炭治郎】 (ページ9)

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木葉が消えても、無惨は現れなかった。

もう私には無惨を探す気力なんて残ってなかった。

『…木葉……』

木葉を失った…

私はそれ以外何も考えることが出来なかった…。

立ち上がることも…前を向くことも出来ず、

消えた木葉の着物をずっと眺めていた…。

『…。』

炭治郎「…っ！A…！！」

『…か、まど……』

暗い暗い洞窟の中から、竈門が現れた…。

炭治郎「…やっと見つけた…！！」

竈門は私を強く抱き締めた…。

『…な、なんで…ここに…？』

炭治郎「Aの匂いを探したんだよ。」

竈門がそう言った瞬間…私は涙が止まらなくなった…。

『…っ！こ、木葉を…！救え、なかった、、、』

炭治郎「…大丈夫。大丈夫だよ、A。ちゃんと救ったよ。木葉のこと、Aはちゃんと救ったよ。」

竈門はずっと、私を離さなかった。

私も、竈門を離さなかった…。

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炭治郎「…少しは落ち着いたか？」

『…うん…大丈夫…。』

あれからどのくらい経っただろうか。

竈門はずっと私を離さないでいてくれた。

優しい手でずっと抱き締めてくれていた。

竈門「ごめんなA。」

『…なにが？』

竈門は私に謝った。

炭治郎「…沢山傷つけてしまった…。Aのこと俺は何も知らなかったのに…。勝手な事をして、本当にごめん。」

『…謝るのは私の方だ。』

炭治郎「…え？」

『…竈門は私を救おうとしてくれたのに、私はそれを踏みにじった。私もお前を傷つけた。』

炭治郎「そんな…。」

『…でも、お前は相変わらず馬鹿で気持ち悪いな。』

炭治郎「え！？」

『私、結構酷いこと言ったよな？なのによくも、ここまで来たもんだ。普通は来ないぞ、助けになんか。』

炭治郎「…ははっ。Aがどこに居ても俺は必ず助けるよ。」

『私はお前に助けられるほど弱くねぇ。』

炭治郎「でも俺は、過去にAを3回は助けたぞ？」

『お前のそういうところガチで嫌いだ。』

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