長男の想い人第2章【竈門炭治郎】 (ページ7)

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『あいつを守るために言ったつもりだったんだけど…あいつを傷つける結果になった…。』

あんなこと言うつもりはなかった…。

あんな顔させるつもりじゃなかった…。

あいつの前で泣くつもりなかったのに…。

木葉「…人に会うのに資格なんているのか？」

『…え？』

木葉「会いたいのなら、会えばいい。Aがそんなことを言うのなら、俺の方がAに会う資格なんてないよ。」

『それは…そうだけど…。』

木葉「でも今、僕はAに会って、話してる。」

『…。』

その時私は、しのぶに言われたことを思い出した。

“ しのぶ「もう二度と会えなくてもいいんですか？」”

もう二度と、会えない…。

『…っ』

木葉「…A。後悔だけはするな。」

『…え？』

木葉「生きてる間に、悩むことだったり、迷うことが沢山ある…でも絶対に後悔はするな。」

『後悔…』

木葉「俺は長い間生きてきたが、後悔を沢山してきた。」

木葉が消えそうな声で私に言った。

木葉「…自分の生き方に悩んでも、後悔のない生き方をしろ。胸を張って、自信を持って、生きるんだ。」

『…うん。分かった。』

木葉「よし、約束だ。」

『…約束。』

私と木葉は強く指切りをした。

木葉「…そろそろ時間がない…俺を殺せ。」

『…っ。』

このままずっと…2人でいたい。

昔みたいに…ずっとずっと一緒に…。

『…木葉。』

木葉「大丈夫！！もしも生まれ変われたら、またAに会いにいくから。」

木葉は笑った。

今から、死ぬというのに…笑った。

木葉「…ありがとうA。僕の家族になってくれて。」

『…っ。』

私の目から涙がこぼれた。

木葉「…僕は本当に幸せだった。君に出会えたから…！」

『…万華鏡…。』

木葉「…え？」

私は懐にしまっていた万華鏡を取り出した。

『ずっと、ずっと持ってた…！いつかまた木葉に会えた時、これを持っていたら思い出してくれると思って…！』

木葉「…ならそれは、これからもAが持っていてくれ。」

『…う、うん…！』

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