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目からこぼれた涙を拭って、屋敷へと帰ろうとした時…
ようやく…私の前に炭治郎が現れた。
『……た、炭治郎。』
炭治郎「…A…ど、どこか痛むのか?」
炭治郎は、私が泣いているのにすぐに気づいた。
『…ち、違う。大丈夫だ。』
私は急いで涙を拭った。
炭治郎「…。」
炭治郎は、とても苦しそうな、悲しそうな顔をしていた。
『…会いたくなかったよな…ごめんな、もう帰るから…。』
私は、またこぼれそうな涙を堪え、歩き出した時…
ガシッ
『…?』
炭治郎に腕を掴まれた。
炭治郎「…や、やっぱり…無理だ…。」
『…炭治郎?』
炭治郎の目から大量の涙が溢れていた。
『…ど、どうしたんだよ…。そんなに会いたくなかったのか…?ごめんって。』
炭治郎「違う…!そうじゃない!!」
炭治郎は、私の袖を強く掴んで離さなかった。
炭治郎「…Aにずっと会いたくて…でも会えなかった…!!!」
『…?なんで…?』
炭治郎「俺が弱いからだ!弱いから…Aを守れない!」
『…え?…なに?』
よく意味がわからなかった。
炭治郎「あの時…俺がもっと強くて、もっと早く見つけれていれば!Aがあんな怪我すること無かった!」
『あの時って…街の繁華街の時か?』
炭治郎「そうだ…!それだけじゃない!」
炭治郎は泣きながら私に言った。
炭治郎「俺は…まだ弱いから…!またAを苦しめ、傷つける!!」
『…。』
炭治郎「Aがどこにいても助けるって言ったのに…!俺は…!俺は…!」
『…炭治郎…。』
炭治郎「でもダメだ…俺はダメなやつだ!!会ったら守りたくなるのも、そばにいたくなるのも分かってた…!!だから…だからAから離れたのに…!!」
炭治郎は、私の袖をグッと掴んで言った。
炭治郎「いつもいつもAのことが頭から離れない!!俺は、、、Aが好きだ!!好きで好きで仕方ないんだ…!!」
『……馬鹿だなぁ…お前は…』
私はゆっくりと、炭治郎の涙を手で拭った。
『…私は十分…お前に助けられてるよ。』
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作者名:葉紅 | 作成日時:2021年7月15日 1時