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・74【炭治郎side】 ページ28









俺がAに会うのをやめて1ヶ月が経った頃、善逸が恐る恐る俺に話しかけた。









善逸「た、炭治郎。Aちゃん、かなり怒ってたよ。」









炭治郎「そ、そうか。」









善逸「伝えといてって言われたから伝えるけど、会いたくないなら二度と会いに来んなって言ってたよ…。」









また逆戻りだ…。









また嫌われてしまった。









善逸「そろそろ会いに行ってあげなよ。」









炭治郎「いやいいんだ。会ってしまったらまた守りたくなってしまう。俺は弱いから、Aを守れない。」









善逸「会いたくないの…?」









炭治郎「っ…。」









会いたいよ…。今すぐ会ってこの手で抱きしめたい。









でも、今の俺じゃ会っても仕方ない。









守ってあげられない…。









だから会ったらダメなんだ。









鴉「カァー!カァー!炭治郎!司令ヲ伝エル!」









善逸と話している時、俺の鎹鴉が飛んできた。









鴉「北西ノ町ヘ向カエ!」









炭治郎「北西の町か。分かった、行こう。」









善逸「気をつけろよ炭治郎。」









炭治郎「うん。ありがとう!」









俺は善逸と離れて北西へと向かった。





























北西の町に着くと、妙な違和感があった。









町の人は俺たちのような鬼狩りを恐れていた。









炭治郎「…この町…なんか妙だな。」









俺は夜になる前にこの町のいたる所の匂いを嗅いだ。









炭治郎「こ、この匂いって…」









匂いを嗅いでいると、Aの匂いがした。









炭治郎「まさか、ここにいるのか。」









俺は無意識にAの匂いがする方へと進んでいた。









炭治郎「…はぁ…はぁ…。」









気づけば辺りは夜になっていた。









炭治郎「この辺のはずなんだけど。」









『…はぁ…帰るか…。』








炭治郎「…っ。」









……いた。









会いたくても、会えなかった…。









俺がこの世の中で1番大好きな人。









炭治郎「…A。」









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作者名:葉紅 | 作成日時:2021年7月15日 1時

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