長男の想い人第2章【竈門炭治郎】 (ページ25)

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しのぶ「あの時Aは、私にこう言いましたよね？」

しのぶはいつも私の痛いところを突く。

『い、言ってない…。』

しのぶ「言いましたよ？」

『…いやだって！あの時は！！』

しのぶ「あの時は？」

『あの時は……』

何よりも炭治郎の存在が、邪魔で鬱陶しかった。

どんな時でも現れて、真顔で変な事言って、人の言うこと全然聞かないし、大嫌いだった。

しのぶ「…あの時は嫌だった。でも今は違うんですか？」

『い、今は…。』

私が木葉を救えなかった時、炭治郎は私を強く抱きしめてくれた。

いつものような暖かい手で…。

思えばあいつはいつも私を救ってくれたっけ…。

鬼に襲われた時も、遊郭の時も、山で怪我した時も…

街の繁華街でも…。

『い、今は…別に…き、嫌いじゃない…。』

しのぶ「ふふっ。恋は最大の病っていうのは本当ですね。」

『え？…どういうこと？』

しのぶ「Aの心臓の痛みは…“恋”ですよ。」

『………は？』

しのぶ「いい加減自覚したらどうですか？」

『……じ、自覚ってなんの？』

しのぶ「Aは炭治郎くんのことが好きになったんですよ。」

好き……

好きって…？

私が炭治郎を…？？

数秒後…ようやく理解した。

『……はぁぁ！？！？』

しのぶ「…やっと素直になりましたね。」

『いやいやいや！！ないないない！絶対にない！！』

しのぶ「…ないと言いますけど、現に今、炭治郎くんのことを考えて心臓が痛くなっているんですよ？」

『いや！それは、、確かに！そうって言うか！いやでも！』

しのぶ「Aにもついに好きな人が出来たんですね。私は嬉しいです。」

ありえない…！

私が炭治郎を好きになるなんて…

絶対にありえない…！！

神「カァー！カァー！Aー！」

『…か、神…。』

神「北西ノ町へ向カエ！北西ー！北西ー！」

『…に、任務…か。』

神が来て、私はなんだかとてもほっとした。

しのぶ「あら、任務ですか。お気を付けて。」

『…う、うん。』

私は蝶屋敷を出て神の言う北西の町へと向かった。

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