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『…っ。』
目が覚めると…私は蝶屋敷のベッドで寝ていた。
しのぶ「…やっと目覚めましたか、A。」
横を見るとしのぶが心配したようにAを見ていた。
『…痛い。全身痛い。』
しのぶ「当たり前です。刺された箇所がかなり多かった、あともう少しここに来るのが遅かったら、死んでてもおかしくなかったんですよ?」
また、ここまで炭治郎が運んでくれたのか。
『…そういえば…炭治郎は?』
辺りを見渡しても、炭治郎の姿はなかった。
いつもなら、必ずいるのに。
しのぶ「炭治郎くんは次の任務があると言ってもう行きましたよ。」
『…そっか。』
あの日下部という男は捕まったのだろうか…。
あの男に何か酷いことはされてないだろうか。
炭治郎に聞きたいことが沢山あった。
『…どのくらい寝てた?』
しのぶ「2日です。」
2日か…。その間、炭治郎は来たのかな…
『…炭治郎にお礼言わないと、任務終わったらここに来るかな?』
しのぶ「どうでしょう。この2日間、Aの様子を見に来たのは善逸くんと伊之助くんだけでしたから。」
『…え?』
炭治郎が来なかった…?
しのぶ「あ、冨岡さんも来ましたよ。」
『…そ、そうなんだ…。』
なんで…来なかったんだ?
いつもなら必ず会いに来るのに。
しのぶ「どうかしました?」
『い、いや…なんでもない…。』
私はその時、嫌な予感がしていた。
もう二度と炭治郎は私の元に現れないんじゃないかという予感が…。
そして…その予感は…
見事に当たり、
炭治郎はこの1ヶ月間、1度も私に会いに来なかった。
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作者名:葉紅 | 作成日時:2021年7月15日 1時