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・66【炭治郎side】 ページ19











街の繁華街はかなり人が多くAの匂いを探すのにも、一苦労だ。









炭治郎「…スンスンッ…こっちか!」









僅かに残っているAの匂いを辿って、俺はAを探した。









女「きゃー!!」









Aを探している時、女の人の悲鳴が聞こえた。









炭治郎「…!この匂い…!」









それと同時に血の匂いがした……。









急いで悲鳴が聞こえた場所に行くと、1人の男が小刀のようなものでAの腕を斬りつけていた。











炭治郎「…A!!」









『…っあぁ…!』









Aの腕や体から大量に血が流れていた。









炭治郎「…っ!」









俺は急いでAに駆け寄ろうとしたが、









男「なんの騒ぎだ?」









女「人が刺されたらしいわよ!」









あまりの人の多さに、前へと進めなかった。









日下部「僕の妻がお騒がせして申し訳ない。それでは…僕達はこの辺で失礼します。」









ようやく人混みを抜け、Aの元へ行こうとした時、









男がAを抱き抱え、どこかに向かおうとしていた。









男の腕の中にいるAは意識を失っていた。









炭治郎「待て!!」









日下部「…ん?…何か、御用ですか?」









俺は怒りで我を忘れていた。









炭治郎「俺のAに何をしたんだ!!」









日下部「…俺の…?」









男からは甘く、そして恐ろしく狂気に満ち溢れた匂いがした。









日下部「君…名前は?」









炭治郎「俺は竈門炭治郎だ!」









日下部「そうか…君か。」









俺が名前を言うとその匂いはさらに濃くなった。









日下部「君が炭治郎くんだね。Aが随分お世話になったようで。」









炭治郎「な、何を言ってるんだ…。」









男は腕の中にいるAを見てこう言った。









日下部「Aには困ったものだよ。僕というものがありながら、君の名前を呼ぶんだから。」









Aが俺の名前を…?









炭治郎「…くっ!」









俺に助けを求めていたんだ……。なのに、俺は!









Aを助けることが出来なかった…!!









日下部「そろそろいいかな?Aを病院に連れていかないといけないから。」









男はそう言って街の外へと向かっていった。









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作者名:葉紅 | 作成日時:2021年7月15日 1時

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