吸血鬼の私と狂愛王子

いっそ消えて… ページ33

私は莉犬に背を押されながら帰った

そうじゃないと進めないくらい体が動かなかったから…

手には買ったものは握っておらず、何処へやったかなんて考えたくもなかった

いつの間にかアイツもいなくなってて

あの親子も…………


ガチャ

ななもり「Aちゃん、家に着いたよ」

ボーッとした頭が急にかかった声にビックリした

ななもりがドアを開けて、入れるようにしてくれていた

なんでこんな時まで俺に優しくしてくれるんだろう

るぅと「大丈夫ですか…？」

俺みたいなやつがこんなに優しくされていていいのかわからなくて

複雑な気持ちを抱えたまま家の中に入った

いつもと変わらぬ家なのに、なにかが胸の奥で騒いでいた

普通に56していたのに…

56された人を見たら悲しく、辛くなった

今まで自分が56してきた人達も、あの親子のようだったんだろうか…

『消えたい…(ボソッ)』

何もかも、私の存在さえも消し去りたくなっていた

私を無かった存在に、そして今まで犯してきた罪もなかったことに…

なんて都合のいいことを考えているばかりだった

ジェル「…なぁ」

声のした方を向こうとしたら

ギュッ

生温かい体温に包まれた

手を私の背中に添えるようにしてくれていた

俺より高い身長で、体格もいいのに痛くなくて

逆に心地が良くて

トクトクとなる心臓の音が俺を落ち着かせてくれた

しばらくこの状態が続いた


スッ

優しく離して、私の方に手を置いた

ジェル「俺は、Aが消えたら嫌やからな。だからもうそんなこと言わんといて…」

寂しそうな顔で言われた

莉犬「うん…、俺も嫌だ…」

るぅと「僕も嫌です。絶対に…」

ななもり「Aが消えたら俺らも一緒に逝くからね？」

ポロリとこぼした言葉さえ、受け取ってくれた

『うん…ありがと』

俺がそう言うと、ニコッと笑ってくれた



そういえば…

『ころんとさとみは？』

るぅと「あぁ、遅く帰ってくると思うので待ちましょう！」

『でも遅くない？』

莉犬「そう？じゃあジェルくん、手伝ってきてあげて」

ジェル「おん」

コンコンと足音を鳴らしながら出て行った


『…あと、あの兵士さんは？』

俺が兵士と言ったら一瞬みんなの目がギラリとこちらを向いた

顔をパッと明るくし、

ななもり「…王宮に戻るって。大丈夫だよ、罰を受けに行ったんだから」

『そっ…か』

なんか…なんだろ……

ゾワゾワする…

ま…、三人の帰りを待とう…



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更新しなくてすみません！
退院したんですよ！
やったぁ〜〜*(^o^)/*

三人の帰り道→←？？

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