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ありがとうございましたー。
からんころん。
風鈴と鈴が鳴る出入口の音が涼し気に響いた。
銀天街だからか、深夜でもまだ活気があって、何処と無く落ち着いた。
「ご馳走さん、本当に良かったのか？」
「構わん、どうせあっても使わない金だよ」
「ケッ」
その金はあれか、さっきの銃と関係あるのかと聞かれたので無言で肯定した。
「……相変わらずヒデェ顔」
「お前も特徴的な髪型してるな」
今更かよ、と突っ込まれた、クスリと笑うと固まった様に私を見る。
「お前、笑うのな」
「私だって人間だぞ？」
「……いや、そうだよな、ウン」
ちゃんと寝ろよ、そういうと頭をガシガシと撫でるので、盗聴器か何がつけられたんじゃないかと考え出す。
「……人の好意くらい素直に受け取れないのかよ……」
「職業病なんだよ」
もっと酷いの、聞く、と首を傾げると、もういいと呆れられた。
「そんなに酷い顔、してたか、私」
「……大丈夫だ、ちゃんと近くで目を凝らして見ないと分かんねェ」
なんならこのままホテルに行くか？
馬鹿言え、私達の歳分かって言ってるのか？
「冗談だよ、……」
「何だ」
「いや……」
「……お前たちの本拠は」
「……一応、愛媛だ」
「……ハンスって言う、私の部下が居る、何かあったら頼れ」
それから、と言葉を続ける。
「アリサ・アブリコーソフ」
「誰だそれ」
「ミシェル・スコット、うちの幹部の裏切り者たちだ」
「は」
「会ったら素知らぬ顔して逃げろ、お前のとこのボスにも伝えてやれ」
「……おいおい、」
「もうこちらに処分許可が降りてる、そのうち1人は
あったら死ぬ、そう思え」
「……」
「楽しかったよ、久しぶりに真面にご飯食べれて、人と話したのが。
なんか、凄く楽しかった」
「それはあいつらに言ってやれよ……」
「……何でだろうな」
「…………不動」
「？」
「不動明王だ」
忘れんじゃねェぞ、近々またお前たちの前に現れる。
そう言って彼は喧騒の中に身を投じた、すぐに見えなくなって、きっと私は何処かどうかしてるんだろうと、キャラバンへと急いだ。
夜の街は明るかった。
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
