失楽のウンディーネ 3【イナイレ】 (ページ6)

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夜になると皆寝静まって、外にいるのは音無さんと鬼道くらいだった。

彼らはキャラバンの上に居て、……正直邪魔なのだが、家族のことを話しているようで、何だか空気の読めないことは出来なかった。

そして私はまた、近くの街を徘徊していた。

もしかしたら追っ手がいるかもしれない、もしかしたら首席と末席が情報をリークしているかも、もしかしたら。

もし、もしも、彼らの命が危険にさらされていたら。

そう思うと寝ずに居られなかった、きっとこんな仕事をしているから最悪の考えを捨てられないのだろう、これもきっと職業病だ。

隈はひどくなっていってる、正直1週間は寝ずに過ごしていられるので当分は起きているつもりだ、……カフェインを摂取しておきたい。

数々のメイク道具を駆使していつも通りの顔を作った、大丈夫、私まだやれる。

コンビニに行くと、京都ならではの外観を壊さない為に全体的に茶色っぽいカンジの外装だった、内装も少し拘っていた。

適当にブラックコーヒーを腕一杯に詰め込んで行くと隣から視線を感じたので横目で睨む。

「…………何だ」

「お前、それ全部飲むの？」

有り得ねェ、と若干引き気味で私を見た同年代であろう彼に溜息を吐く。

「カフェインが欲しいんだ、眠気が吹っ飛ぶ位の」

最悪非合法の薬でもいいと言うと、更に引かれた。