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日本支部の迎えの車が来ると、どうやら警察と手を組んで動いていた様で、あまり感心しない。
とはいえ江崎さんが真っ先に駆けつけてくれたので、ハンスが手間取っていた私の傷の応急処置も上手くやってくれた。
「ありがとう、江崎さん」
「いや、お互い様だ。
最近本部では日本支部のいい噂を聞かないからな、汚名返上ってことだ」
しっかし大変な怪我をしたな、と思いっきり笑われたので、そりゃあ特別諜報員にもなる人間の首席と末席と対決するのだから妥当だろうと言うと微妙な顔をした。
「そんでこいつは……」
「巻き込んでしまった一般人……ではないな、友人だよ。
流石に応急処置もされてない私を置いてホテルに戻ることは出来なかったみたいでな」
「いや、俺そういう意味で言ったわけじゃ……」
「……信用できるのか？」
「勿論」
「……」
誰一人として彼本人の話を聞かないので、不動は固まってしまった。
「今から愛媛県警に行って今回の説明をするから、不動は」
「行くに決まってんだろ」
「……そっか、ありがとう」
ハンスと江崎さんを呼びつけて、メイデンの子の話をすると、何やらピンピンしているらしい、心配しなくても良かったな。
今回の件で長官から直々に褒賞を頂けるそうだが、その前に彼らの尋問に参加したいとのことでこちらにジェットで来るらしい……相変わらず規格外。
暫くその場で待っていると、鬼瓦刑事が来たので不思議に思う、呼び出されたとか何とかで不服そうだった、少し不憫に思ってしまった。
彼は不動の姿を見て大層驚いていたが、何も突っ込まないでくれたので───まあ少なからずこちらの事情を察したのだろう───非常に助かった。
「ああ、そうだ、そう言えば私の鞄」
「ほら、ここ」
「ありがとうハンス、助かったよ」
そう言うと彼は結構強めに私の頭を拳骨した。
「痛ッ、何するんだ……」
「鞄の中身、薬だらけじゃねェか」
「あー……」
「通常時の俺以上だからな？」
「悪い……」
歯切れの悪い私の姿を見て不動はとても困惑していたが、少なからず内容は理解出来たのか(何故理解出来たのだろう)目を逸らされた。
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
