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コンビニで買い貯めしておいた携帯食をかじる、もう彼らは愛媛を離れているだろう、そして恐らく首席たちは追い掛けることが出来ない。
数日もかかるから、私が塒にしていたそこへ行くよりも愛媛で人質を探すか、稲妻町へ待ち伏せする方がずっと効率がいい。
何より首席たちにとって安全だ、監視カメラにも映りずらい、人に顔を覚えられたらそれこそおしまいだ。
海をずっと眺める、途中漁師っぽい人達が別嬪なねーちゃんだと声を掛けてくれたが、私はそれを愛想良く返す。
そうして夜になって、眠気も薬で飛ばし、抗不安薬だとかを一気に併用して飲み下す、拳銃諸々、武具を総確認して、乾いたコートを羽織る。
ハンスと江崎さんにも連絡をした、彼は私の現在地を確認し、少し遠い場所から監視するとのこと。
江崎さんが言うには、メイデンの彼女が未だに行方不明らしいが、助っ人に回せる人員は確保出来たらしい。
私はそれをやんわりと断った、彼らを首席たち末席の確保人員に回せと命令を出す。
間違って殺してしまっては大変だ、ここはそういう組織だから。
深夜を回ると、漸く誰かが来た、2人分の気配を察知する、足音は聞こえない。
「……よォ、次席」
海を眺めて待っていた私にそう声を掛ける。
「随分待ったぞ、首席、末席。
お前ら私が東北にいると思って無駄足を踏んだんだって？」
「チッ、相変わらずよく回る舌」
「アリサ、ダメよ挑発に乗っちゃ」
「ミシェル、お前は後ろにいな、アンタは自分で身を守ることだけに専念しろ」
「ええ、そうさせてもらうわ」
「ところで首席、貴方にとっては長年世話になった組織を無断で抜け、且つ敵対組織に籍を置くなんて飛んだ恥知らずだな」
「ウルセェよ、アンタって真面に戦闘も出来ねェ癖によく吠えるんだなあ？」
「ははは、」
目の前に赤毛の成人間近の女性を見る、後ろの少し遠い場所へと避難する末席を見るが直ぐに目線を戻した。
ハンスは確保の方に回ってもらうとして、実質2対1だ、腹を括れA。
死ぬ気で掛かれ、有栖川A。
「早いところ始めようか」
「ハッ、そりゃこっちの台詞だ」
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
