・ ページ25
前支部長が、ぺド？
いや、それだけなら驚かない、だが私と接触している以上何らかの関係があったことは否めない、それが怖いのだ。
私が記憶を喪失したのはジャスト10歳、その前に彼と出会う様なファクターがあるとすると……確かに矛盾は無い。
衝撃の事実を耳にした私は思わず眉を寄せた、影山はそれを愉快そうに見る。
「君には彼のリーダースキルやカリスマが受け継がれている、君が彼の元で無意識下に学んだものだろう。
まあ、それはいい、彼は頭の良い研究者であり諜報機関の良き支部長だった。
そんなロバートが死んだのは彼自身の短所からだ」
「短所……」
「そう、有栖川女史、君が死なせた。
彼が大切にしていた君を、彼自身の物として手に入れる為に君の母親を殺した」
「殺した……？
可笑しい、私の母は連続殺人犯と同じ手口で殺されたと聞いた。
模倣だとは思えない、Aourの資料室を見たんだぞ？」
更に彼が死んだのは大体その時期だ、確かに辻褄が合う。
彼が嘘を吐いて得することは何も無いので殆ど言っていないだろうが、何故それが隠匿されているのか。
それにその連続殺人の手口はあまりに複雑すぎるのだ、私もやり方を確認したが殺し慣れてないと出来ないようなものだった。
「真逆、前支部長は」
「そう、世界各国で恐れられた殺人鬼そのものだ」
「……いや、未だ驚かないぞ、パンクしそうだが……うちにもそういうのは居る」
最良と呼ばれるアメリカ支部の汚点を聞いてしまって思わず頭を抱えた。
いや、まあ組織はこういう青少年達を保護して更生させる別枠も一応とは言え機能している、だが彼は更生しきれなかったのだろう。
現在の首席と末席であれ反旗を翻したのだ、彼女達と比べたら組織的には未だいい方だ。
こればかりは組織側が出し抜かれたと言うべきか……。
「ほう？
では君の父親がロバートを殺したというのは？」
………………。
「…………撤回、しよう……。
……流石、に、それは驚いた」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
