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不動の案内通りに進むと、そこは港だった。
学園なんてものは無く、あるのは大海原ただ一面、影山が既に犯罪者であることを考えると、確かに逃走しやすい場所だろう。
船にでも乗って移動するのだろうか、潜水艦？いや、流石にそれだとそいつの財源がどうしても気になってしまう。
キャラバンに乗っていた彼らは学園なんて無いじゃないかと不動に怒りの矛先を向けた。
「短気な奴だなぁ……。
真・帝国学園だったら、ほら」
地鳴りがして、私は冷や汗を浮かべた。
流石に影山だとていい大人だ、彼らを殺すまでには至らないだろう、じゃあこの微かな地鳴りは何だ？
想定外が想定外を呼んで、混乱している私は兎に角人目につかないキャラバンの後ろへと回り込み、上に乗り込んでから拳銃を引き抜いた。
安全装置を取る、大波で一瞬よく見えなかったものの、その正体は公になる。
「(潜水艦……マジだった)」
マジだった。
本当なら金の流れがとても気になるところだ、政治家だとか有力者が手を貸しているに違いない、すぐにアランに調べさせよう。
水しぶきが飛ぶ、コートに掛かるが防水なので気にしない、硬いそれを盾にして照準を合わせた。
この距離で弾が届くかと心配したその時。
「、人……！？」
「久しぶりだな、円堂！
それに鬼道！」
鬼道は半ば怒り心頭で彼の名を叫ぶ、それを面白そうに見る不動と、驚愕した表情の雷門、今にも殺そうとしている私。
「もう総帥とは呼んでくれんのかね？」
その声は明らかに私たちへと敵意を向けていた。
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
