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それから、彼らはキャラバンに不動を乗せて案内をしてもらいつつ、その真・帝国学園へと進んで行った。
土門の隣に座っていた私は不動の要望で隣に座ることとなった、キャラバンの雰囲気とは裏腹に彼は少し満足そうだ。
「なあ、不動」
小声で話しかけた、不動は顔を私に近づけて、
「何だ翠チャン、いや、クンの方か？」
どっちでも構わんよ、と言って一息する、今は影山に関しての詳細が少しでも欲しい。
「……影山は、何故私と会いたがっているんだ？」
彼は先程ロバートの子とか言っていたが、多分それ関連だろう、相変わらず記憶の無い私だが、影山なら何か知っているかもしれない。
そして私の記憶が無いことを、彼は知っている可能性がある、出来る限り私に関しての情報は秘匿している心算だが。
「それは知らねェ、アンタこそ、ロバートだとか言う奴のこと思え出せねェのか？」
全く、そう言うと彼は怪訝な顔をした。
「そもそも私が人違いの可能性は捨てなかったのか？
……いや、彼のことだ、そんなことは無いだろうが……」
「それは俺も同意する、あ、そこの信号右だ。
……それで、アンタまだ隠してることあるんじゃないか？」
例えば、出生に関してだとか。
流し目出それに応答する、回答はこれ以上は“止めてくれ”だった。
「……そうだなぁ、……。
極一般的な暮らしを送ってきた心算なんだが」
「嘘つけ」
「本当だよ」
「本当に聞き覚えないんだな？」
「……黙秘で」
前支部長の名前がロバートだったりするが、それとは関係ないだろう。
それっぽいこと言うと呆れた顔でぜってーそれだろ、と私を見た。
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
