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キャラバンを降りると、海の近くのここは風が強く、コートがたなびく、長い前髪も合わせて靡いていた。
隣の彼女は京都の彼を見つけるなり、
「きみ、真・帝国の生徒ね」
と口にする、同時に群がっていた彼らの目線もこちらに向けられた。
「そっちこそ遅かったんじゃない？
人を偽のメールで誘き寄せといて、今頃現れるなんて」
「偽のメール？」
と円堂が聞き返した為、小さくわけを説明してやった。
「差出人が違ったんだよ、内容は真実だが、大方響木さんの名前を使わないとこちら側を誘えないと思ったんだろうさ」
「もう確認済みよ。
何故すぐに分かるような嘘を吐いたの？」
彼は説明する私を見るなりにぃっと笑って、
「俺、不動明王ってんだけどさぁ……。
響木の名前を騙ったから、色々調べて愛媛まで来る気になったんだろーが。
違うか？」
と返す、私は呆れたように肩を竦めた。
「そうね。
貴方の狙いは何？」
「なーに、アンタらを真・帝国学園に御招待してやろうと思ってさ？
……アンタ、鬼道有人だろ？
ウチにはさ、アンタにとってのスペシャルゲストが居るぜ？」
そう言って鬼道と彼は言い合いを始めた、私はそれをよそ目に裏切り者達の動向を調べている。
「貴様……誰がいるっていうんだ、誰が！！」
「おいおい、教えちまったら面白くないだろう？
着いてからのお楽しみ、さ」
「(勝てるだろうか、……メイデンの子が秘密裏に襲撃された今、戦力になるのはハンスしかいない。
私も、無傷ではきっと済まない)」
ゆっくりと目を閉じる、私は、死ぬのだろうか。
それぞれの思惑が交差する中、私は1人溜息をついた。
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
