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side不動
あのいかにも顔色の悪い彼女のことがどうにも頭から離れなかった。
あの歳であの色気って普通あるか？
いやいや、ねェって、居酒屋に誘って来た時もそうだ、職業病だからってそんな苦痛そうな顔しながら物を食べるヤツ初めて見たよ。
オレのカワイイ子、自分の体調管理すらまともに出来ない馬鹿な子。
つーか、俺と同じ同年代の人間で、あんな顔出来るとか。
顔立ちも綺麗だったしな、あーあ。
そんなことを思いつつ報告を済ませていく、影山に、裏切った幹部とか言った警戒人物その他の話を伝えると、少し思案した。
「それは誰から聞いたものだ」
どこかの組織の人だと言うとまた思案した。
「その2人はな、Aourの特別諜報員の首席と末席だ」
「……」
……そんなヤバいやつだったのかよ。
つーかAourってなんだよ、聞くからにヤバそうなんだケド。
「そして次席は、」
そうして彼は俺にライターと共に資料を渡した、中には顔写真と共に詳細な記録があったが、首席と末席以上に少ないものだった。
No.2と、長官の腹心と呼ばれた少女は正しくあの時の彼女だった。
「あ……」
「成程な……ロバートの子か……」
「？」
「雷門を連れて来る時、彼女だけは私の部屋に案内しなさい」
何故、と聞きたくなったが、仕方なく俺は何も聞かず付き従うことにした。
総帥の部屋を出ると、俺は早速資料を読み始める。
「有栖川A……?」
“大海の奏者”、“白鯨”。
俺だって知ってる様な異名持ちのプレイヤーだ、なんで諜報組織なんかに。
そこには。
最年少でアメリカ支部の支部長になったこと、特別諜報員のNo.2としての活動が明記されていた。
ったく、シャレになんねーの。
ライターで1枚しか無い資料を燃やすと、灰クズになって海に流れていった。
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
