失楽のウンディーネ 3【イナイレ】 (ページ13)

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どこからともなく、それは聞こえた。

「影山が脱走し、真・帝国学園を設立した……！？」

「…………」

「あ、翠、大丈夫か？

まだ顔が優れないが……」

「いい、大丈夫だ。

……それよりも、何だって？」

彼奴、またそんな事やってんのかよ、と呆れたような怒ったような声で言うソメオカさんを私は横目で見やった。

「……瞳子さん、」

キャラバン内で声はよく響いた。

「……場所は」

「愛媛よ」

「………………そうか、成程」

「？どうしたんだ」

「いや、色々と思い当たる節があってな」

最悪三つ巴だろうか。

我々Aour、反乱した首席と末席、それからも真帝国の影山。

最悪影山をこちらに引き込むか、この戦線から引き離したいところだ。

あちらと手を組まれたらかなり困る。

徐々に頭の中が覚醒していくのを感じてフル回転させ、知恵熱が出そうな頭を重く抱えた。

「…………はぁ、」

後ろの方では彼らは影山について、彼がしでかした悪事や詳細を語り、そのなんとも言えない悪を理解してもらおうと話していた。

隣の土門もそれに参加していたが、正直私はそれどころじゃあなかった。

自分自身の命が守れるかよりも、彼らに飛び火が行かないかどうか心配だったのだ。

傷をつけてしまえばアメリカ支部としての箔が無くなる、完璧に依頼を遂行してこそのアメリカ支部。

大丈夫、大丈夫だ。