【文スト】歴代最年少幹部は太宰さんの妹のようです。

癒えない傷21 ページ43

このままだとAが行ってしまう。
俺に出来ることは、何だ。




それを考えた時、咄嗟に行動にとったのが、Aに額に俺の額を合わせることだった。



ｺﾂﾝ



至近距離だから、Aの体温がよく伝わる。




中也：俺はな、ずっとお前に「中也兄」って呼ばれてんだ。
血は繋がってないが、それでも、兄には兄の責任ってもんがある。
お前は1人ですぐに抱え込んで、なんでも自分の責任だって思っちまってるんだよ。
1人にならなくていい。
俺や、姐さんや、太宰がいるんだ。
いつでも、頼れ。





言っている途中に気づいた。
Aはずっと震えていた。
普通に見てたらわからない。
きっと、自覚は無いんだろう、
だが、昨日のあの夜、Aはこんなになるほど辛く、苦しい思いをしたんだ





A：でもそしたらみんなに迷惑がかかっちゃう。
私、みんなに迷惑かけたくない。
心配させたくない。私なんかのせいで。





中也：ﾌｯ…
心配くらいかけさせろよ。
誰も迷惑になんざ思わねぇよ。




俺は、お前の兄だから。
たとえ、血が繋がってなくても、お前の兄だから。
心配したい。
頼ってほしい。

俺は、未だ震えるAを優しく、しかししっかりと抱きしめた。



A：うぅ…中也…兄…




Aの両目から大粒の涙が零れ落ちる。
ずっと泣くのを我慢してたんだな。
俺はAの背中をずっとさすっていた。

しばらく経っただろうか。Aからｽｰｽｰという音が聞こえた。
見てみると、泣き疲れて寝てしまっていた。





Aをまたベッドに戻す。
Aはなんだか、いつもより軽い気がした。






中也：誰にも言いたくないんだろう？
太宰には秘密にしとくからな。
また辛いことがあったら頼れよな。(ﾎﾞｿｯ)

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