【文スト】歴代最年少幹部は太宰さんの妹のようです。

癒えない傷20 ページ42

〜中也side〜
1日ほど経っただろうか。
Aが動き始めた。

目を覚ますのか？





中也：A、A！




何回も名前を呼ぶ。

何度も、何度も。




すると、





A：ﾊｯ




Aが目を覚ました。




中也：やっと目を覚ましたか。


俺がそう言うと、Aは「中也兄！？」と言い、無理に体を起こそうとした。



A：…ｯ



Aの顔が苦しそうに歪む。



中也：おい、無理すんなよ。





そして、織田がAを運んできてくれたことを説明すると、Aはまた立ち上がろうとし、二三歩歩いたところでよろけた。

俺はAに駆け寄り、痛くないように優しく抱きとめた。






中也：っと、危ねェよ。
織田作…？って奴には俺からお礼を言っとくからよ。
首領にももう言ってあるから。
もう一日休め。




A：でも、仕事が…





Aがそういったところで、俺の箍(たが)が外れた。
なんで、なんでそんなに一生懸命なんだ。
なんで、自分のことを心配しないんだ。
今だって、傷だらけのAを見てるだけでこっちは辛いってのに、なんでそんなに無理して自分を犠牲にするんだ。


この怪我の要因についてはなんとなく察しがつく。
そして、Aがその事に触れられたくないのも察しがつく。
そして、俺が言い出さないのも分かってるんだろう。

だからといって、まともに立てないのに、心も体もすっかりボロボロなのに、なんでそんなに頑張れるんだ…！

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