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さーん ページ5

坂田side



これって誘拐ってことになるんかな。



そんなことを考えつつ冷蔵庫の中を漁る。
あの子なんで血まみれやったんやろ。
俺がやったとか言っとったけど
俺、記憶に無いしなぁ。



さ「そういえばどっから来たん?」


「あなたに連れてこられたからわからない」


さ「なんで俺の家におるん?」


「あなたに連れてこられたからわからない」


さ「俺が誰か知っとる感じ?」


「存じ上げません。」


さ「お人形さんみたいやな」


「あなたもね。」




え、俺も?



さ「えー、なんで?」


「ずーーっと笑顔。」


さ「………っ」




図星だった。
確かに俺には感情がない気がする。
とりあえず笑顔でいればなんとかなると
思って生きてきたから。


さ「君は笑わないの?」


「面白くもないのに笑う必要があるんですか?」



さ「んー、たしかになぁ。」



この子、ワケありな感じなんかなぁ?



さ「名前聞いてなかった!名前は??」


「Aです」


さ「Aちゃんね!とりあえず警察行こか。迷子届け出されてるかもやし!」



そう言うとAちゃんは
首を横に振った。



「安心してください、あなたが私を今ここで
殺したとしても、どこかに捨てたとしても
悲しむ人も探す人も誰もいませんから。」




______誰も、いない_______




なんで、なんでそんな悲しいこと言うん。
絶対誰かは君を必要としてるはずやのに。





「私、借金のかたに売られたんです。




だから、もう私を求める人は誰もいないんです。」




あぁ、そっか…、




この子も俺とおなじなんやな。




さ「なぁなぁ」


「はい?」


さ「俺とゲームしようや!」


「ゲーム?」


さ「お互い、感情がない同士やろ?


どっちが先に感情を取り戻せるか
ゲームしよう!」



「嫌です」



さ「えー、やろ!!やろーや!」



「私は、生きたくないんです。
だから




さっさと殺してください。」





またその言葉や。





さ「俺はその願いは叶えてやれんよ。」





「でもあなた、さっきは私を殺そうとした」




さ「そんなこと、してへんよ!


何かの間違いや…。」




正直、すべてを否定したいが
昔からたまに記憶の一部が無くなっていたりすることが多々あるので躊躇ってしまう。





「二重人格………」


さ「え」



「きっとあなたは二重人格なんですよ。」




平凡な生活が崩れていく音がした。

よーん→←にーぃ



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ケイワイ - 面白かったので続きが、見たいです。 (2019年3月12日 20時) (レス) id: 00238eb098 (このIDを非表示/違反報告)
Rai(プロフ) - 面白かったです!続きが気になってしまいます…!更新頑張って下さい! (2019年3月10日 1時) (レス) id: 25dceeea80 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ水雲(プロフ) - みーさん» ありがとうございます! 頑張りますね(*´v`) (2018年10月22日 7時) (レス) id: 2936a05555 (このIDを非表示/違反報告)
みー - おもしろいです!更新頑張って下さい! (2018年10月21日 23時) (レス) id: 3a7b075e71 (このIDを非表示/違反報告)
優姫(プロフ) - 空ノ水雲さん» ありがとうございます!こちらの作品も楽しみでする(*°∀°*) (2018年8月23日 15時) (レス) id: a847480144 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空ノ水雲 | 作成日時:2018年8月19日 21時

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